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[語学留学]ILUNOプログラム

2019年10月~2020年3月 工学部学生

  • 留学期間:2019/10~2020/03
  • 学部等:工学部

 私は、ILUNOという英語学習に特化したプログラムで静岡大学の姉妹校である、ネブラスカ大学オマハ校に5か月間留学をしていました。海外旅行やボランティアなどで最大2週間、海外で生活をしたことがあったのですが、一度も訪れたことのないアメリカという土地で5か月間過ごすということはとても刺激的で新しい経験の毎日でした。そのなかでも、とくに刺激的だった経験が三つあります。
 1つ目は、ホストファミリーとの生活です。静岡大学からILUNOプログラムとしてネブラスカ大学に通う場合、ほとんどの学生はホームステイでの生活になると思います。ホームステイでは全くの知らない家庭で英語を使って暮らすことになります。留学前から、新しい環境で、ストレスを感じることは想像していたのですが、日常生活の中で自分の意見をうまく伝えられなかったり、ホストファミリーの言いたいことが理解できなかったりすることは思っているよりも疲労することです。ホストファミリーとの性格の違いや自分の英語能力が原因で思い通りにいかないホームステイ生活が2か月ほど続きました。しかし、留学を通して、自分の英語能力が上がっていくにつれ、自分が何をしたいのか、どうしたいのかなどをより詳細に伝えられるようになり、最初は自分のひとつひとつの行動(遊びの行き帰りや生活習慣)を母のように心配してくれていたホストマザーとの信頼も厚くなり、私の意思決定を私自身にまかせてくれるようになりました。最初はホームステイでストレスを感じていた私ですが、それは私自身が自分の気持ちを英語で伝えるという過程を怠り、信頼関係がうまく作れていなかったことが原因でした。日本語ならすぐに伝えられることを英語だからといって伝えずにいたことがよくなかったのだと気づきました。当然のことですが、ホストファミリーは自分のやりたいことや自分の必要なことをすべて汲んでくれるわけではありません。どうすれば自分の意見をうまく伝えられるのか、どういった言葉なら伝えたいニュアンスで伝えられるのかを考えていると英語の伝える能力も段々と向上していったように思います。留学が終わるころには、ホストファミリーとより深い話をして、仲を深めることができました。アメリカにもう一つの家族ができたような感覚で、とてもいい経験でした。
 2つ目は、ILUNOの授業です。授業は午前に2つの授業(Listening & SpeakingクラスとReading, Writing & Grammarクラス)があり、週に二回午後に選択授業があります。午前から午後までひたすら英語を学ぶ授業です。授業はネイティブスピーカーの先生によりもちろん英語で行われます。クラスメイトは私たちのようにいくつかのセッション(2か月で1セッション)を受けて帰る学生もいますが、ILUNOかTOEFLで合格点を取った後に、ネブラスカ大学に進学して、学部の授業をとる学生も多いです。そのため、アメリカ国籍の学生はおらず、中東や東アジア、南米などの世界各国の学生たちで構成されています。このクラスの面白かった点は世界各国の学生たちと仲良くなれたことです。とくに中東出身の人たちは日本では会ったことがなかったのでその国の文化を教えてもらうことはとても面白かったです。また、海外の学生と比べると、日本のリーディングやライティングの教育はレベルが高かったことに気づきました。それにもかかわらず、海外の学生は自分よりも豊富な英語のボキャブラリーを持っていて、話をするのが好きな人がたくさんいました。クラスの中で仲よくなった友達たちからスピーキングに必要なスキルを教えてもらった気がしました。クラスで、海外の学生たちと仲良くなれるのはよかった点ですが、ネイティブスピーカーの人たちとの交流はクラスではとても少なかったです。
 3つ目は、いろいろな人たちと出会える交流イベントです。前述したように、クラスとホストファミリーの家を往復する平日の日常生活では、ネイティブスピーカーの学生などと交流する機会は少ないです。大学の寮に住む学生ならば大学の学生たちと交流が深く、頻繁に遊んでいたイメージがありますが、彼らと比べると自分は少なかったように思います。ホストファミリーの家に住むということは日本の大学で言うと、実家から大学に通うようなものです。それでも、ネブラスカにはネイティブスピーカーの人やより多くの国籍の人たちと出会い、交流する場が十分、用意されています。毎週金曜、土曜日の夜にディナーを用意し、たくさんの人が集まる場所を用意してくれるGlobal Friendsという団体や様々な文化交流イベントに日本文化を伝えるためのブースを出展し、伝統的なダンスを踊るFriends of Japanといった団体もあります。自分から積極的に参加すれば、交流の中から英語や文化を学べるチャンスがたくさん用意されていました。また、交流イベントではありませんが、毎週、開催されるアイスホッケーやバスケットボールなど、大学の試合とは思えないほどの大規模な演出の各種スポーツの試合もとても刺激的な体験でした。
ネブラスカ州オマハで暮らした5か月間は、本当に刺激的で新しい体験でした。この5か月間は自分の人生にとって重要な期間であったことは間違いありません。もちろん英語能力も上達しました。しかし、5か月の留学を終えたからと言って好きな仕事を得られるわけではなく、大学院に進学できるわけでもありません。ILUNO留学は自分のこれからの進学・就職に必要な能力を身に着ける過程であって、ゴールではありません。この5か月がどのように活きるかはこれからの自分次第であると強く思っています。

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