静岡大学国際連携推進機構

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留学プログラム

交換留学

ヴッパタール大学(ドイツ)

  • 留学期間:2025年9月~2026年3月
  • 学部等:人文社会科学部

【授業】
授業は、集中ドイツ語コースという授業のみを選択した。留学先で第2外国語を集中的に学びたいと考えており、第2外国語を集中的に学べる環境を軸に大学を探していたので、この授業を選択した。平日毎日8:15~12:00と週に2回の追加コースが12:00~13:30まであったので、この授業だけでもかなり大変であった。授業は、ドイツ語をドイツ語で学ぶ形態となっていて、初学者にはかなりハードルが高いと感じた。第2外国語を集中的に学びたいと留学に来たこともあり、集中して授業を受けることができた。また、授業後には、ほぼ毎日図書館でドイツ語の勉強をしていた。

授業を受けた感想としては、留学前にドイツ語をある程度勉強していたにも関わらず、最初の方は、先生の言っている単語や内容が全く理解できなかった。集中して聞いていると本当に少しだけではあるが、言いたいことや単語を聞き取れることがあったので、わからないなりにも、腐らずに授業を聞き続けた。聞き続けていれば、2か月もすると、教科書の内容や聞こえた単語などから、何となく発言内容の推測ができるようになっていった。この授業の内容を集中して聞いているだけでも、ドイツ語のリスニング力は格段に上がると思われる。授業内容は、文法を学んだ後、それを使って実際に会話をするというアウトプットとインプットのどちらも学ぶことができるものだった。日本で文法は勉強していたので、文法に関しては、わからないということがなかったが、隣の人との会話や先生の質問に答えるなどのアウトプットの部分では、かなり苦戦した。日本の授業でもあまり発言しないうえに、日本語以外での発言となるので、言いたいことを言えず、もどかしい思いをすることが何度もあった。正直、このアウトプットの部分に関しては、留学の最初から最後まで苦しんだ。

期末にドイツ語のテストがあるのだが、私は留学前にドイツ語を勉強していたこと、そして、ドイツでもドイツ語の勉強を続けていたこともあり、テストは合格することができた。しかし、私が目指していたのは、テストの合格ではなく、ドイツ語の習得だったため、ドイツ語の日常会話でわからないことがあると、何のために勉強しているのかわからなくなる時がたびたびあった。

しかし、確実に言えることとして、この授業を真面目に取り組んでいれば、読む、書くの2技能だけでなく、話す、聞く力も格段と伸びることだ。授業についていくのは、かなり大変だが、授業が終わるころには、自然とドイツ語力が伸びているはずだ。第2外国語を学びたいと思っている人には、このヴッパタール大学のドイツ語コースはお勧めだ。

また、専門系の授業についてだが、私は経済学部だったので、経済系の授業を受けようとしたのだが、英語で開講されておらず、ドイツ語での開講であった。そのため、初回の授業が終了後に教授から、ドイツ語が分からないのなら、この授業は取るべきではないと忠告を受け、経済学の履修を取り消した。第2外国語と合わせて、経済系の授業も留学先で選択したいと考えていたため、序盤の方に私の目的の一つがなくなってしまうというこのようなハプニングもあった。


【住居】
私は、学生寮に住んでいた。家賃は386ユーロでベットや毛布を借りる場合は、別料金で35ユーロを払う必要がある。部屋の中は、ユニットバス、クローゼット、キッチンと日本とさほど変わらないと感じた。一番驚いたことは、入居時に部屋が全く掃除されていない状態であけ渡されたことだ。部屋は虫の死骸や埃だらけで、歩くだけで足裏が真っ黒になるほどだった。

ドイツの住居の特徴として、ドイツのドアはオートロックのため、部屋を出るときにカギを持っていないと部屋に入れなくなってしまう。カギをなくしたり、部屋の中に置いたままドアを閉めてしまった場合は、100ユーロの罰金となるので、注意が必要であった。

もう一つの特徴として、ドイツにはエアコンがある部屋があまりない。そのため、冬はHeizungという日本では見たことのない暖房器具を使う。しかし、部屋自体が暖かいうえに、これは使っても使わなくてもあまり効果を感じなかった。夏は、エアコンがないので、窓を開けて何とかするそうだ。日本と比べて、それほど暑くないというが、それでも暑いには暑いらしい。私は、夏を経験する前に留学から帰ってきてしまったので、夏の過ごし方はわからない。

↑寮のキッチンと部屋の様子

【食事】
食事に関しては、日本人がじりじりと精神面を削られる部分であると思う。私も含め、すべての日本人が留学に来て1週間で、和食が恋しくなってしまった。それくらい食文化というものは、適応が難しい部分なのだと思う。ドイツは、主食がパン、じゃがいも、パスタといった感じで、米を食べる文化はほとんどない。味付けも、塩かケチャップかマヨネーズで、かなりシンプルだ。そのため、いろいろな味が用意されている日本食に慣れ親しんだ日本人には、ドイツの食事は淡白に感じるだろう。

渡独当初に、日本食が恋しくなり、近くのラーメン屋に行ったり、スーパーで日本食を買ったのだが、どれも私が知っている味ではなく、「海外用の和食」という感じだった。そのため、それに気づいてからは、和食は食べなかった。

しかし、悪いことばかりではない。ドイツのパンとチーズとソーセージ、そしてビールは、日本のものよりはるかにおいしい。特に、ビールとソーセージは世界で一番おいしい。パンは20セントの一番安いものでさえ、小麦の香りが鼻に抜けていくのを感じられる。パンが好きな人にとって、ドイツは逆に天国かもしれない。ソーセージとビールはドイツ文化の結晶というだけあって、どこの国よりもおいしい。人生でもう一度、ドイツのビールとソーセージを食べたい。私の中では、それくらい評価が高い。

私は、主に朝夜はパスタを食べていて、昼食に20セントで買えるパンを2つ買い、そこにトマトや玉ねぎ、ハムなどを挟み食べていた。円安ということもあり、あまり外食はせず、基本的にはこれらを食べて生活をしていた。月の食費は25000円~30000円ほどだったと記憶している。

↑ドイツで一番おいしかった黒ビール

【気候】
気候に関しては、半年しかドイツにいなかったため、9月から3月までしか書けないが、大まかな感想としては、日本とほぼ変わらないという印象である。気温だけを見れば、日本と冬の寒さもあまり変わらない。データを見てみると、東北地方の方が、留学していたヴッパタールよりも寒い。

天気という面になってくると話は変わってくる。ドイツの冬は、太陽を見られる日が本当に少ない。冬は寒いうえに、太陽が全く出ないので、なんだか気分が沈んでいると感じる日が多かった。さらに、日が出るのが朝の9時半ごろなので、授業に行く際も暗い中の登校となり、一日の始まりをあまり感じられず、頑張ろうという気持ちが起きなかった。

私が一番記憶に残っているのは、元日から2週間も太陽が出なかったことだ。2026年のドイツの初日の出は、1月13日ごろだった。年が明けてからずっと気温は氷点下近くで、雪が続き、太陽を見ることができなかった。しかし、ついに1月13日、太陽が顔を出した。そこで見た太陽は、これまでの人生のどんな太陽よりも美しかった。私は、身体の細胞一つ一つで太陽の光を受け止め、今のうちに太陽の恩恵をできるだけ享受しようと努めた。晴天の空の下、太陽の光を受けることは本当に気持ちがいいと強く思った。留学に行くと私のように、太陽に対する価値観でさえ変わってしまうことがある。

また、日照時間とうつ病は関係があるらしく、留学に行っていた日本人や現地の学生は、ビタミンのサプリを取り、うつ病を予防するように努めていた。ドイツに留学に行く際は、天気に要注意だ。

↑2026年最初の太陽(1月13日)        ↑朝8時授業に行くときの外の様子

【文化の違い】
文化の違いは、ドイツ人は心に余裕がある人が多いように感じた。ドイツに来てすぐ、30キロもあるスーツケースを押して横断歩道を渡っていた際に、段差で荷物が動かなくなってしまった。すると、自転車から降りて、若い男性がわざわざ助けてくれた。一番記憶に残っているエピソードとして、バスが目的地に行かず、バス停も駅もない場所で降ろされてしまったときに、ドイツ人たちが状況を説明してくれた上に、あるドイツ人男性がレンタカーを予約してくれた。そのレンタカーに乗り、バス停で降ろされた年齢も性別も国籍もばらばらの人たちのそれぞれの家を一軒ずつ回って、送迎してくれた。同じ困難で苦しんでいたら、知り合いでないにもかかわらず、互いに手を取り合う光景を見て、日本とは全く違うと感じた。これ以外にも、旅行中に山道から駅まで車で送迎してくれた初対面の老人や、電車の中でクリスマスマーケットのおすすめの場所を教えてくれた男性など数え切れないほどの優しさを受け取った。日本に帰国し、東京の電車に乗った際、我先にと車内に乗り込もうとしたり、居眠りをして隣の人にもたれかかってしまった人の顔をスマホで小突く人などを見て、なんだか日本人は生き急いでいるというか、心に余裕がないと感じた。

もう一つの大きな文化の違いとして、ビーガンやベジタリアンがたくさんいることがあげられる。日本では、私の周りにこのような人々は一人も見たことがなかったため、同じクラスの人や、友達になった人がビーガンということを知り、自分の周りだけでこんなにいるのかという驚きが留学当初はあった。体感だと、10人に1人はこのような人たちであった。
また、ビーガンやベジタリアンの人は、動物が可哀想だから肉を食べないといった共通の思想があるのではなく、親がビーガンだったから、生まれた時からビーガンだから、肉を食べないと調子がいいからという人、添加物を気にして肉を食べない人など、それぞれの中に個々の思想や信念があった。個々に思想があるため、ビーガンになった理由を聞くと、様々なバックグランドを聞くことができ、非常に興味深かった。ビーガンやベジタリアンが多いこともあり、どこのレストランやスーパーに行っても、ビーガンメニューや商品が置いてあり、この面でも、日本と大きな違いがあると感じた。

【現地での生活環境・街並み等】
私の留学していたヴッパタールは、田舎過ぎず、都会過ぎずといった町で、私はとてもいい街だと思う。スーパーやデパートもある上に、デュッセルドルフやドルトムントなどの大都市にも近く、交通のアクセスもいい。治安もそれほど悪くないので、留学するにはかなりいい場所だと思う。

【今後の課題】
今後の課題は、語学力を磨くことだ。留学を通して終始、語学力がもっと高ければと強く感じた。友達を作る、何か人を巻き込むようなアクションを起こすなど、語学力があると自分が理想とする姿を実現することにすごく役に立つ。また、自分のことや考えを深く理解してほしい、もしくは相手のことをもっと知りたいとなったときにも、語学力は必要となってくる。難しいことは簡単に言い換えればいいという意見もあるが、それは言い換えた何かで、言いたかったことそれ自体の意味の100パーセントを内包していない。留学での仲のいい友達ともっと関係を深めようとするほど、授業などで自分の考えを詳細に話そうとするほど、語学力の壁を感じた。言い換えることはできる。しかし、それは自分が言いたかったことの完全な意味ではないというもどかしさを留学中、終始感じていた。これは、私にとってかなりストレスを感じることであり、ドイツ語や英語を学ぶモチベーションでもあった。

上記の理由から、帰国した今、自分の言いたいことをしっかりと伝えられるように英語を勉強したいと思う。ドイツ語ではなく、英語を勉強したいと思っている理由は、ビジネスの世界では英語は世界共通言語となっていて、社会に出たら英語ができたほうが何かと潰しが利くからだ。エンタメやアカデミアの世界でもそうで、英語が中心となっている。英語を習得できれば、どんな分野でも世界とつながることができると留学を経験して感じた。

そのため、今後は英語を中心に語学勉強に取り組んでいこうと思っている。英語を聞く、話すということになると日常会話でも、理解できないことが多いと留学中に感じた。特に、私は英語を話すという経験が、留学で初めてだったため、いまだに難しく感じる。そのため、英語を勉強するといっても、アウトプット中心の勉強をしていこうと考えている。目標は、2028年3月の卒業までに、IELTS7.0取得だ。かなり難しいと思うが、自分を信じ、長期的に目標に向かって取り組んでいこうと思う。留学に行った後も、この経験を活かせるように、次の目標を立てて、人生を歩んでいこうと思う。

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