静岡大学国際連携推進機構

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留学プログラム

交換留学

ヴッパタール大学(ドイツ)

  • 留学期間:2017年10月~2018年9月
  • 学部等:情報学部

大学に入ったら、留学をしたいと夢を抱いていたのは、中校生の頃からでした。2017年の3月の留学説明会に参加したのが、きっかけで、その思いを親に相談しました。両親からは、1年間、途中帰国をせず、最後まで初心を貫くことを条件に、留学許可をもらいました。
 学部2年の10月3日に日本を出発し、12時間の飛行をしてドイツに到着しました。到着した日が休日ということもあり、初日は、駅前のホテルに宿泊し、翌日からは、学生寮に入居し、そこで今年の9月中旬までの約12ヶ月間を過ごしました。私に与えられた部屋は、二人部屋で、各部屋は、広さが約8畳でその中にシングルベッド、クローゼット、テーブル、椅子が備え付けられています。キッチンとトイレ、シャワールームは二人で共有です。私にとってのはじめての共同生活は、今までの生活環境や価値観の違いを理解する上で、大変良い経験になりました。
 ドイツに着いたら最初にやることは、生活インフラの整備です。寮の不具合部分を探して、ハウスマイスターに修理依頼することから始まりました。ベッドマットの交換(前任者のベッドマットがそのまま置かれていました。連絡するとベッドマットは、20ユーロで新品に交換してもらえます。)棚板の破損箇所や、壊れている椅子の交換等入居時にチェックしなければなりません。ドイツでは、しっかりと主張をしないと担当者は、動いてくれません。また、寮のネットには、Wifiルーターはありませんので、自分でWifiルーターを設置して、作りました。ちなみに携帯電話のSIM契約は、到着した日に空港隣接のショップでしました。次に大学構内で10月には、Amazon.deプライム会員の1年間無料キャンペーンがあるのでそれに入会するとお得です。この大学は坂の上にあるため、大きい物や重量物を注文するときには、Amazonが便利です。私は、電気製品、プリンター、教科書を購入するのにAmazonをよく使いました。特に教科書は、学校や書店ではいつも欠品のため購入することは困難です。また、買い物は、現金と銀行カードでの決済になります。現金を多く持つことを避けるため、すぐに銀行口座を作ることをおすすめします。大学生だと銀行口座維持手数料が無料です。ドイツでは、ネット銀行以外は、日本と違って口座維持手数料が毎月かかります。
 正式な授業が始まるのは、10月15日くらいからですが、その前に大学に慣れるためのイベントが二週間くらい開催されます。参加は自由です。大学構内の案内、ヴッパタールの街の散策、食事会や懇親会等が主なイベントです。ドイツの大学では、入学式や卒業式はありません。
 また、日本の留学生には、世話役のドイツ学生が担当としてつきます。しかし、私の担当の方は、年上の勤労学生で忙しいということで、一度もお会いすることもメール連絡もありませんでした。しかし、そのサポートのないことが、結果的には早く環境に慣れることにつながりました。
 語学留学生は、毎日8時15分から12時までドイツ語の講座を受講します。ドイツ語の授業をドイツ語で受講することになります。ここでは、色々な国の人と知り合うことができます。大学内は、英語が使えますが、街では使えないことの方が多いことを知り、ドイツ語の重要性を知らされることになり、午後は、机上の勉強のほか、一人で街に出て、ドイツ語の世界に身をおくようにしました。やがて、1ヶ月も過ぎた頃には、買い物等は、不自由無くできるようになってきました。3ヶ月を過ぎる頃には、ドイツ語がある程度聞き取れるようになり、バスや、電車を自由に利用できるようになり、一人で、300km離れた山に電車とバスを乗り継いで、何度かスキーに行きました。
 食事は、昼は、大学の食堂(学生証を持っていると半額で利用でき、また一般の方も食事ができる)を利用し、朝夕は自炊をしていました。肉、野菜、果物などの素材は日本のスーパーより安く買えますが、外食は、高価で、日本の約1.5倍から2倍です。しかし、留学生たちと週1~2回程度外食をしました。
 クリスマスから1月のはじめにかけては、ほとんどの留学生が国に帰りますが、このとき私と同じように帰らない学生がいました。彼は、アフリカのガンビア国の学生で国内事情の問題で帰れないということでした。お互いの国を紹介し、母国の料理を作り合ってこの時期を一緒に過ごしました。
 冬学期が終了する3月頃には、ドイツの生活や、文化にも慣れてきました。この時期にも1年前に静大で留学説明会でお会いした先輩に偶然に大学構内でお会いし、先輩のドイツ語力の高さに感心しました。先輩は静大大学院を卒業し、ドイツ旅行をしているようでした。
 4月から夏学期が始まり、今度は、英語での講義を受講することにチャレンジしました。英語での受講基準は、英語の能力テストがあります。ここでは、TOEICではなく、CEFR(Common European Framework of Reference)が基準になります。そのため、日本人の場合は、この試験を受けることになります。私は、レベル確認の試験を受講した結果、B2までの受講が許可されました。最低でもB1以上でしたら、受講できるようです。
その後、日本人とドイツ人の交流会が開かれた際に偶然にもフェアトレードカンパニーの代表と意気投合し、インターンシップとして「GEPAフェアトレードカンパニー」に参加させて頂きました。日本にまだ輸出をしていない商品ですが日本人の口に合うかどうかなどの調査にも協力したり、海外市場における流通や商品の流れ、接客などを学びました。
 誕生日はドイツ人にとってクリスマスに並ぶイベントのようで、日本と異なる点は、本人が開催してみんなを歓迎することです。私も自身の誕生会には、ケーキと料理作りのため朝から準備にかかりました。20人程度の参加を見込んで用意した料理や40本程ビールは用意しましたが、予定数の3倍の60名の人が参加してくれました。友人たちが、色々持ち寄ってくれたので、嬉しかったです。この参加人数から私は、ドイツに来て様々な人と交流を持ち、お世話になっていたことをしみじみと感じました。この誕生日は、絶対忘れることの出来ない日になりました。

 ここの大学の学生間では、授業でも討論がよく行われ、特にドイツ人の説明は長いです。逆に言うと丁寧に説明をしてくれているのです。その分こちらの意見も最後まで聞いてくれます。こちらが納得するまで終わらないので、ついつい長丁場になってしまいます。彼らは、否定するのではなく、なぜ、そうなんだと質問してくるので、深く自分自身でわかっていないと説明に困ることが、多々ありました。日本ではあまりなかったことでしたが、相手の意見を尊重する大切さをこのことから学びました。
 また、ドイツは、大規模な国際展示場が多くあり、世界中のメーカーや商社がやってきます。日本の幕張メッセや東京ビックサイトよりもかなり大きい規模にビックリしました。デュッセルドルフ国際展示場には、興味がある展示会があるときは、時々見学に行きました。最後に行ったのは、8月末のアウトドア用品の展示会でした。
 ヨーロッパの場合は、ユーロ圏に自由に行き来できるのが特徴です。そのため、今回の留学で、私は、休日を利用してドイツの他、オランダ、ベルキー、ルクセンブルク、オーストリア、イギリス等の観光も出来ました。どの国も印象に残っておりますが、オーストリアで標高3000mを超える場所での山岳スキーは、日本では、味わえない雄大な景色と体験でした。

私は、留学中に日本に興味のある方と接して、静岡大学に留学までは、出来なくても日本に来るときには、是非静岡大学にも来ていただきたいとアピールをしてきました。その結果、驚くことにヴッパ-タール大学の大学院生と大学生が、私が帰国直後の9月末に静岡大学に訪問してくれました。彼ら、彼女らの行動力にも驚きましたが、こんなに早く来てくれるとは、たいへんうれしい限りです。
 今回の1年間のドイツ留学で得られた物は、メンタル面が強くなり、外国人に怯えることなく接することが出来、行動力もアップしたと思います。そして、この経験を思い出に終わらせることなく、自分自身の出発点としていきたいです。
 この留学は、静大の先生方と職員の方々の協力、及び過去の先輩の実績で成り立っています。みなさま方のおかげで貴重な留学が出来たことに感謝いたします。ありがとうございました。

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