【授業】
冬学期では、ドイツ語のインテンシブコース(A2)を受講した。授業はすべてドイツ語で行われ、最初は苦労したが、ドイツ語を使わなければならない環境の中で学ぶことで、短期間で大きな成長を実感した。事前に基礎的なドイツ語を学んでおくと、よりスムーズに授業へ取り組めると感じた。また、英語開講の専門科目は多くないため、担当教員へ直接問い合わせることで履修の機会を広げることができた。夏学期では、AIをテーマとした心理学セミナーや、Language InstitutionのB2 English Conversation、Technical Englishを履修した。プレゼンテーションやディスカッションを通して、英語で専門知識を学び、自分の考えを発信する力を養うことができた。

【住居】
私は、同じ静岡大学の学生と生活を共にした。他の日本人留学生の場合も、中国人のルームメイトなど、比較的近い文化圏の学生と組み合わせられている印象があり、文化の違いによる生活面での大きな不安は少ないと感じた。キッチン、シャワー、トイレは共同で使用するが、寝室はそれぞれ分かれており、プライベートな空間も十分に確保されていた。部屋は十分な広さがあり、清潔に管理されていたため、快適に生活することができた。暖房設備は整っている一方で、エアコンは設置されていない。しかし、私の部屋はベランダ側の角部屋で、風通しが良かったため、夏場も大きな問題はなく、冬も重ね着をすることで快適に過ごすことができた。
【食事】
普段の食事では、節約も兼ねてパスタをよく食べていた。ドイツのスーパーでは、ペスト(pesto)など、入れるだけで簡単に味付けができるソースも多く販売されており、自炊をする際にとても便利であった。また、ドイツはパンの文化が非常に豊かであり、街のいたるところにベーカリーがある。専門店だけでなく、スーパーで販売されているパンも安価でありながら非常においしく、日常的に楽しむことができた。大学にはMensa(学生食堂)があり、学生料金で比較的安く食事を取ることができる。メニューは日によって変わり、飽きずに利用できる点も魅力的であった。また、ヴィーガン向けのメニューも用意されており、食の多様性への配慮を感じることができた。
日本食が恋しくなった際には、デュッセルドルフを訪れることで解決できる。デュッセルドルフにはヨーロッパ最大級の日本人街があり、ヴッパータールから電車で(遅延がなければ)約20分で行くことができる。さらに、ドイツ文化を感じるものとしてビールも魅力の一つである。週末には昼間からビールを楽しむ人を街中や電車内でよく見かけ、種類の豊富さにも驚いた。特に、Banana Weizenのようなフルーティーなビールは、これまでビールが苦手だった人にもぜひ試してほしい一品である。

【気候】
冬は日照時間が短く、朝は暗い時間が長く、夕方にはすぐに日が沈む。また、気温も低いため、慣れるまでは気分が落ち込みやすい時期もあった。そのような時には、友人と話す時間を意識的に作ったり、地域のクリスマスマーケットへ散歩に行ったりするなど、積極的に外へ出るようにしていた。クリスマスマーケットは多くの人でにぎわっており、温かい雰囲気の中で気分転換をすることができた。一方、夏は日が長く、22時30分頃まで外が明るいため、活動できる時間が非常に長く感じられた。今年は数週間特に暑い時期もあったが、7月中旬以降は比較的涼しい日が多かった。

【文化の違い】
ドイツで生活する中で、社会全体の多様性への理解や、環境・社会問題への関心の高さを感じる機会が多くあった。特に、スーパーやレストランではヴィーガン向けの商品やメニューが豊富に用意されていた。また、LGBTQ+に関する活動や、若者が政治や社会問題について積極的に参加していると感じた。ドイツの公共交通機関には、遅延や運休、ストライキが多く、日本との違いに驚いた。一方で、デモやストライキなどを通して、市民が社会に対して意見を表明する文化が根付いていることも感じた。環境面では、ペットボトルや缶をスーパーで回収し、デポジットを受け取るリサイクルシステムが整っていた。回収した分を日用品の購入などに利用できる仕組みは、環境保護を日常生活の中に取り入れる良いシステムだと感じた。大学ではセメスターパーティーやフリーマーケットなど、学生主体のイベントが数多く開催されていた。学生同士が交流し、新しいつながりを作る機会が多く、大学全体でコミュニティを大切にしている雰囲気を感じた。
【現地での生活環境・街並み等】
大学寮は大学の目の前に位置しており、講義へは徒歩約10分で行くことができるため、通学の負担はほとんどなかった。また、ヴッパータール中央駅までは大学から徒歩で約25分、バスを利用すると約10分で到着でき、生活に必要な移動もしやすい環境であった。
中央駅周辺にはデパートやさまざまな店舗が集まり、にぎやかな雰囲気がある。一方で、大学周辺には自然が多く残されており、ヴッパータールは都市としての便利さと自然の豊かさがバランスよく共存している街だと感じた。落ち着いた環境で勉強しながら、必要な時には都市部へ出ることができる点が、個人的には非常に過ごしやすかった。
また、デュッセルドルフやケルンなどの大都市へも電車で気軽に行くことができ、さらにオランダなど国外への旅行もしやすい立地であった。留学中にさまざまな場所を訪れたい人にとっても魅力的な環境である。さらに、セメスター料金に含まれるDeutschlandticketを利用することで、ドイツ国内の普通列車やバスなど多くの公共交通機関を追加料金なしで利用することができた。
【今後の課題】
留学を通して、英語力における課題も明確になった。特に、専門的なセミナーでの議論では、自分の考えを整理し、英語で論理的に表現することに難しさを感じた。授業後に伝えたかった表現や語彙を振り返ることで、プレゼンテーションやディスカッションへの自信は高まったが、今後も継続的な学習が必要である。また、多様な国の人々と英語で交流する中で、完璧な英語を話すことよりも、相手に伝えようとする姿勢の大切さを学んだ。
今回の留学では、日本との比較や異なる文化・価値観に触れることで視野を広げることができた。今後は英語学習を継続するとともに、食文化、政治、移民問題などへの関心をさらに深め、幅広い視点を持って行動していきたい。