静岡大学国際連携推進機構

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留学プログラム

交換留学

ヴッパタール大学(ドイツ)

  • 留学期間:2022年9月8日 ~ 2023年9月18日
  • 学部等:情報学部

【授業】

英語で開講される授業は院生(Master)向けが多いので、受講にはそれなりの覚悟がいります。私もミクロ経済の授業を英語で受講しましたが、理解するまで時間を要しました。また、授業1つの構成は「モジュール1+モジュール2+演習」という3部構成のパッケージになっており、1つの授業だけで週6時間あります。一方で授業1つあたりの単位(Credit Point)は20~30 Ptと高めに設定されているため、少ない授業を確実にこなしていくスタイルになっています。


資料1 ミクロ経済の授業の様子

た、私はドイツ語クラスにも参加しました。これは強制ではありませんが、出国する1か月前あたりでドイツ語のクラス分けテストのメールが送られてきます。この結果に基づいてクラスが分けられますが、必ず参加しなければいけないわけではありません。私の場合はA2レベルという少し難しめのクラスに配属されたため、テストに合格するまで1年かかりました。テストは不合格の場合再履修が可能なため、合格するまで挑戦することはできます。クラスメイトはトルコやイランなど中東系の人が多くいました。注意点としては、毎日朝8時15分~11時45分のスケジュールで授業が行われるので、早起きが苦手な人には少し酷なクラスになっています。


資料2 ドイツ語クラスの様子

【住居】

ヴッパタール大学では特段の事情がない限り学生寮(Student WG)で生活をします。写真にある通り築20年未満の比較的きれいな物件で、一人部屋になれば完全なプライベートが保証されます。しかし、前住人によっては部屋を汚く使用している場合があるので、入居当日には部屋をチェックし、傷や汚れ、破損している設備を報告する必要があります。とはいっても限りある語彙力で表現するのも難しいので、私は写真を撮って証拠を残しました。また、シャワーヘットに亀裂が入り水が漏洩していたので、当日に申し出て修理してもらいました。


資料3 入居日当日の部屋の様子

【食事】

食事は基本自炊ですが、ドイツ語のクラス終わりに友達と学食に行っていました。学生は学生証を見せれば学生料金で食べることができ、いろいろ取っても3.5ユーロほどです。主菜にサラダやポテトなどを自分の好みで追加していくスタイルです。また、外に出かけたときは外食もしますが、一食で15ユーロ以上はかかってしまうので基本は自炊をしていました。ヴッパタールがら電車で20分ほど行くとデュッセルドルフというアジア人が多く住む町があり、そこでお米や海苔、インスタントラーメンなど日本の食品を仕入れていました。


資料4 学食の様子(左:メニュー/右:実際の料理)

【気候】

ヴッパタールはドイツの中でも雨が多いです。実際に暮らしてみると曇ってどんよりした日が多く、急な小雨もしばしばです。夏も8月の中頃までは雨が多く、9月に入り晴れる日が多くなった感じです。緯度的にドイツは日本の青森県~樺太までに一致するので、冬はとても寒いです。一方でデュッセルドルフやケルンなど近隣大都市は晴れることが多く、休みの日に少し出かけるにはうってつけです。

【文化の違い】

海外から学びに来ている人も多く、いろいろな国の人と話せます。現に私はミクロ経済のクラスではドイツ人やインド人と、ドイツ語のクラスではトルコ人やブルガリア人・イラン人と仲良くなりました。皆常識のある人なので、そこまで文化的に差異を感じたことはありません。

一方で、パブリックな場面では差異を感じることが多かったです。ドイツでは喫煙率が高く、駅のホームやバス停、大学の喫煙コーナーに愛煙家の集いができます。タバコのポイ捨ても当たり前のようになっており、お世辞にも街がきれいとは言えません。そうした環境なので、いつの間にか受動喫煙していることもしばしばあったと思います。 また、電車が遅れることは日常茶飯事です。少しの移動ならまだしも、ミュンヘンやベルリンへなど遠出をする場合、電車が遅れると駅のホームで受動喫煙をしながら待つ羽目になります。60分以上遅れないと保証の対象にはならないので、40分の遅れなどは待たされた挙句に何もないといったことになります。私も最初のうちはいらいらしたりしていましたが、もう慣れました。


資料5 遅れる電車の表示

【現地での生活環境・街並み等】

2023度ドイツは経済成長の予想がマイナスとなったこともあり、経済はお世辞にも良いとは言えません。エネルギーインフレの中でエネルギー以外の物価もじわりじわりと上昇しつつあり、日本から見れば円安の影響もあって留学費用は相対的に高く感じます。しかし、ドイツの学生は州内の公共交通機関のチケットが無料だったり、美術館やコンサートなどが学生料金で入場できるため、学生として過ごすにはとてもいい国だと考えています。諸生活に関して、水はヴッパタールは水道水を飲むことができます。川の上流の水をそのまま引いているのでとてもきれいです。ただ、それ以外の町は水道管が老朽化しており、水道水の飲用はお勧めしません。

街並みに関しては、ヴッパタールで有名なのはSchwebebahnです。これは第一次世界大戦前に作られた空中鉄道で、川の上を電車が走っています。当然学生は無料で乗ることができ、ヴッパタールの名物の一つとなっています。


資料6 Schwebebahn

また、12ユーロ課金すれば1ヶ月間セメスターチケットをアップグレードし、ドイツ全土の高速鉄道を除く公共交通機関が無料で利用可能になります。そうして訪れた街で私が印象に残っているのは、ロマンチック街道の始点ヴュルツブルク(Würzburg)と終点フュッセン(Füssen)です。日本でいうところの東海道のような旧道沿いに宿場町のような感じで街が点在しており、その中でもとても美しいと感じました。日本とは違って川に沿って街道が形成されており、かつては水陸双方で交易が盛んでした。ドイツといえばビールというイメージも多いですが、フランクフルト以南はワインの生産が盛んで、ヴュルツブルクは代表的なワイン街です。古城内にはワインセラーが完備されているほか、城下の斜面ではワイン畑があるほどです。2度の大戦があったにもかかわらず戦災に遭うことなく、川とともに存在する昔の町並みがとてもきれいでした。


資料7 ヴュルツブルクの様子

フュッセンはかの有名なノイシュヴァンシュタイン城があることで有名です。ミュンヘンから3時間ほど在来線で移動した先にある街で、湖のほとりにあるとても美しい街です。のどかな平原を抜けた先にあり、ノイシュヴァンシュタインもさることながら時間を忘れてゆっくり過ごすのにうってつけの街です。フュッセンはすぐ南がオーストリアで高地にあることから、夏場でも少し肌寒く感じました。



資料8 フュッセンとノイシュヴァンシュタイン城の様子

【アドバイス】

ヴッパタール大学ではIST(International Student Team)が交換留学生向けの企画をしてくれたりします。公式のInstagramにイベントの告知が出るので、私はほぼすべてのイベントに参加していました。運営メンバーはそれほど変わらないので、毎度イベントに出ていると私の名前を覚えられて、Instagramでイベントの告知をする前に直接誘われたりしました。そして帰国直前にはスシを親しいメンバーと食べに行ったりしました。そうした場でドイツ語を話すことで結果的にA2のテストに合格できました。なので、留学を考えている人は学内外問わずイベントに積極的に参加することをお勧めします。無論、少数の友人と深い人間関係を築きたい方もいると思うので、それはそれで大切なことでありそちらのパターンも尊重します。


資料9 ISTのInstagram & Sushiの様子

【今後の課題】

今回の留学が楽しい思い出となってしまってはいけないと感じています。1年間かけて自分を少しアップグレードすることができたので、2023年の10月よりさらに自分をアップグレードするべく努力を継続していきます。来年の夏頃には再びドイツに旅行でいきたいと思っているので、ドイツ語レベルをさらに向上させるとともに、自分の町についてもより詳しく紹介できるように静岡を探求していきたいと考えています。加えて、現在おぼろげながら、マスター(院)で勉強するならドイツで学びたいと思うようになっています。指導教授とも相談の上で進路を決めていきますが、そうなった場合にドイツ語だけでなく論文理解などで英語の能力の向上もサボることなく邁進していきたいと考えています。

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