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交換留学

ワルシャワ工科大学(ポーランド)

  • 留学期間:2017年9月~2018年3月
  • 学部等:総合科学技術研究科

Dzień Dobry!(ジン・ドブレ:ポーランド語でこんにちは。ちなみにベラルーシ語でもキリル文字を使っておりますが、同じ発音だそうです)留学期間も残すところあとわずかとなり、後悔のないような生活を心がけています。つたない文章ではありますが、最後までお読みになっていただけると幸いです。

まず、修士での交換留学適用とのことで、関係者の皆様には大変お世話になったことここにお礼申し上げます。

さて、日本から来たというと、必ず「なぜ、ポーランドなのか」と聞かれます。私の場合、東欧に一度は足を運んでみたかったこと、世界史を勉強するうちにポーランドに興味を持ったこと、指導教員のつてがあったことなどがあげられます。

私がお世話になったワルシャワ工科大学は、その源流をたどると日本がまだ江戸時代の1826年とのことで、大変歴史のある大学です。正式にワルシャワ工科大学(Politechnika Warszawska)として発足したのは1915年11月15日なので、11月15日は開学記念日として休学日となっています。また、工学系の学術水準はポーランド国内で1位であり、日本でいうところの東京工業大学にあたる大学といえます。ちなみに、近くにある総合大学のワルシャワ大学(Uniwersytet Warszawski)には工学系の学部がないので、工学系を学びたい学生が一堂に会する大学です。

先述の通り、非常に優秀な学生が集まる大学ですので、講義のレベルは高いと思います。私は、修士の正規英語コースにて、自分が今まで触れてこなかった分野の講義ばかり取っていたので、非常に苦労しました。正規学生も非常に苦労していたので、その点については覚悟が必要だと感じます。英語コースにはErasmusによるヨーロッパ各地の学生はもちろんですが、トルコやインドからの留学生が多数所属していました。

半年間お世話になった学生寮は、月490 zł(zł:złoty、PLN、ズロチ、1 zł = 30円)で二人部屋二つのフラットでした。部屋によって設備品が一部足りていない様子でしたが、対応してくださいます。学生寮は6つほどあるうちのTatrzańska(タトシャインスカ)という場所でした。観光名所のŁazienki(ワジェンキ)公園のすぐそばにありましたので、天気のよい日には公園を散策していました。

さて、留学だけにかかわらず、長期で海外に居住すると大切なのが食だと思います。代表的なポーランド料理としてピエロギ(スラブ圏で一般的な料理)があげられますが、煮込み料理やスープなど優しい味の料理が多く非常においしくいただきました。共産圏時代の影響からベトナムからの移民が多く、ベトナム人経営のベトナム料理店や、後進国のリーダー格的存在であるためか、中東出身者経営のケバブ店などが、日本のラーメン屋のごとく軒を連ねていました。Bar(バル)と呼ばれる食堂では15 zł程度、高級レストランですとその10倍程度の価格で食事できます。世界的日本食ブームの例にもれず、日本料理店もよく見かけました。

冬学期の半年留学はやめましょう!とまでは申し上げませんが、半年だけ留学するのであれば春学期をお勧めします。私が留学している現在は例年より暖かいためか、外気温が0℃前後で雪も降っていないためそこまで寒くないです。しかし、日照時間が短い(16時には真っ暗になります)うえに曇天がよくあるため、冬学期の半年留学はお勧めできません。ただ、1年間の留学を強く勧めます。私の唯一の心残りが夏季にポーランドにいられないことですので、時間が許せば夏季に訪問したいと考えています。

共産主義時代があったこともあり、列を作って並んだり、長時間待たされたりしても特に気にしないなど、日本と非常に似たところがあり、なじみやすい国です。現地になじみすぎたのか、ポーランドの方に何度か道を尋ねられました。ワルシャワ市中心部であれば、真夜中の独り歩きも危険を感じませんが、慣れていないうちはやめてください。

先述しましたが、中東出身者が出稼ぎに来る程に発展しています。バルト三国の影響もあってか、IoTへの関心などは日本の数段上をいっていると感じます。世界に6ヵ所あるスタートアップ支援などを行うGoogle Campusがあることもその表れであると感じます。農業大国であるので、野菜が㎏単位の値段で売られており、ジャガイモが1-2 zl/㎏程度で売られていますが、ここ数年その価格も高騰しているようです。また、外食の値段とアルバイトの時給単価(最低時給13 zł程度)を比較すると違和感がありました。また、急激な経済発展の影響もあり、ワルシャワの大気汚染レベルは非常に高いです。ただ、これからも発展する余地のある国であることは確かだと考えます。

世界遺産にも指定されている第二次世界大戦前の街を再建した旧市街、共産主義時代の都市計画にのっとった街並みなどがあります。歩道が広いのもあり、街中の散策が楽しめます。街のいたるところに大きな公園があることや、ワルシャワが首都だからというのもありますが、バス、トラム、メトロ、長中距離列車と交通網が発達している点を鑑みると非常に住みやすい街で、こちらに住もうかと考えたほどです。

留学に際して、ほとんど下調べもせず向かってしまったため、現地の先生や友人からの様々なアドバイスにはいつも助けられました。また、一帯一路政策の影響なのかもしれませんが、アジア人といえば中国人のイメージが強いようで、中国語で声をかけられることもしばしばありました。ポーランドに在住している日本人に関してですが、日系企業の駐在員の方、ワーキングホリデー制度を利用している方、ワルシャワ大学やショパン音楽大への留学生などいらっしゃいます。日本からのワルシャワ工科大への留学生はほとんどいないので、留学する環境としては非常に良いと考えられます。ポーランドの方々だけでなく、学生世代の日本への関心は非常に高い印象を受けました。中にはアニメを見て自分で日本語を学んだという学生もいました。私自身、あまり活動的性格ではなかったこともあり、日本ではあまり出会うことがない、様々なバックグラウンドの方と出会う機会をいただけたこと感謝しています。

最後に、この報告書で書ききれないことがたくさんありますので、ポーランドへの留学にご興味のある方はご一報ください。微力ではありますが、お手伝いできればと思います。

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