【授業】
留学中は、主に化学分野の授業を履修し、学部・大学院の両方の授業を受講しました。専門分野について幅広い視点から学ぶことができ、自分の知識を深める貴重な機会となりました。また、ブダペスト工科経済大学では留学生向けのハンガリー語の授業が開講されていなかったため、私は学外の語学学校に通い、ハンガリー語を学びました。日常生活で現地の言葉を学ぶことで、文化や人々との交流をより深く理解することができました。授業で特に印象的だったのは、講義が一方的に進むのではなく、学生が授業中に積極的に質問し、教員と活発な議論を交わしていたことです。日本では講義中に学生が発言する機会は比較的少ないため、このような双方向型の授業は非常に新鮮に感じました。自分も積極的に質問や意見を述べる姿勢が求められる環境の中で学ぶことで、主体的に授業へ参加することの重要性を実感しました。授業では課題や実験レポートに加え、出席確認を兼ねた小テストが頻繁に実施されました。そのため、授業外にも大学図書館で学習時間を確保し、計画的に課題へ取り組む必要がありました。学習量は多く大変でしたが、その分、専門知識を深めるだけでなく、時間管理能力や継続的に学習する習慣も身につけることができたと感じています。

(i)実験中の雰囲気
【住居】
私の留学中の住居は、学生寮が留学生には提供されていないこともあり、現地のフラットシェアを利用しました。自分の場合中心部ということもあり5人と共有で家賃は490ユーロ(約90,000円光熱費等込み)でした。自分個人の部屋があり、キッチンやバスルームを共同で使用する生活でした。住人のほとんどがヨーロッパの他の国からの留学生でそこから知り合いもできました。文化や生活習慣が異なるメンバーとの共同生活では、就寝の時間や掃除の問題など生活する上でトラブルになりうる難しさがありますが掃除の分担ルールを明確にする、毎月の共通経費といった工夫を重ねることを心がけました
【食事】
ハンガリーではパプリカを使った料理が多く色が赤い料理特にスープが沢山あります。またランゴシュというピザみたいな揚げた生地の上にニンニク、チーズ、サワークリームがのっているものがあり少し重たいですが病みつきになります。またハンガリーには海がないのでスーパーとかのお店に魚が日本ほど売っていないので食べる機会が少なくなりがちですが大きい湖の近くではハラスレーというパプリカスープに和えた川魚の料理が食べれます。魚料理が恋しくなった人におすすめです。ただもちろん毎回レストランで食べる訳にはいかないので普段は自炊をしアジアンスーパーで買えるご飯を鍋で炊いたりパスタを作ることが多かったです。忙しい時の安く外食する手段としてはケバブを買うことが多くありました。安いところでは600~700円で買うこともでき野菜も入っているのでおすすめです。
【気候】
基本的に過ごしやすい気温で雨が降ることも少なく快適に感じました。ただ今年の冬は大寒波の影響もありいつもはそこまで雪は降らないらしいのですが数センチ積もる程度の大雪でした。その時は一時的ではあるものの気温がマイナス十数度ほどまで下がりました。ハンガリーは乾燥しやすいのでさらに冬は厳しく気になる方は乾燥対策のクリームなんかを持っていってもいいかもしれません。また驚きだったことで日照時間が夏と冬によって大きく違うことです。これは日本で感じている以上に激しく冬は朝8時ごろまで暗く16時過ぎにはもう真っ暗です。また曇りの日が続くので日照時間が極端に少ないです。反対に夏は21時を過ぎても明るいなんてことも多く生活リズムの調整が日本とは大きく違いました。

(ii)冬の大学近くの景色
【文化の違い】
現地の人々の人柄や感情の表現方法には面白い特徴があります。ハンガリーは歴史的な変異もありネガティブに考える人が多いと言われることがありますが、その表れ方は日本人と大きく異なるように感じます。日本人は不安や不満を胸のうちに溜め込んで周りに遠慮しがちですがハンガリー人は自分の感情を積極的に周囲と共有し発言する文化があります。ただ近年ハンガリーの首相が変わるなど政治的に大きな変化がありそれに伴い若い世代を中心にポジティブに変わってきている印象を受けます。また言語や歴史的背景に関して公用語はハンガリー語ですがかつては今よりも広大な領土を持っていた歴史があります。そのため国境が小さくなった現在でも隣国に暮らしながらハンガリー人として生きている人々も少なくありません。その影響か隣国の言語を含めて数カ国語を自在に使うマルチリンガルに出会うことがたくさんあります。さらに素晴らしいことにハンガリー人の親切さについて例えばベービーカーを持ったお母さんがバスに乗るのに苦戦していると周囲にいる人たちがごく自然に集まって一斉に手を貸すような光景を日常的に目にします。見知らぬ人同士でも困っている人がいれば放っておかない温かい国民性には感銘を受け自分自身もこの優しさに何度も助けられました。留学の懸念点として挙げられがちな治安面についてよく日本以外の国に行くことはそれだけ危険が伴う可能性があると教わると思いますがハンガリーは日本と同程度に安全な国だと感じました。もちろん観光地でのスリや置き引きといった最低限の警戒は不可欠ですが、首都のブダペストであっても基本的な防犯意識さえ持っていれば夜間に1人で歩くことができます。
【現地での生活環境・街並み等】
バレーボールは中学・高校時代から続けていたため、留学中も他大学の練習や地域のチームに積極的に参加しました。言葉や文化の違いがあっても、スポーツを通じて自然に交流することができ、チームで協力してプレーする楽しさを改めて実感しました。また、競技を通して新しい人と出会い、現地の学生や地域の方々と交流する貴重な機会にもなりました。また、ブダペストは温泉文化が根付いている街であるため、私はほぼ毎週温泉を訪れていました。温泉は勉強や慣れない海外生活での疲れを癒やすだけでなく、現地の人々や旅行者と自然に会話をする機会にもなりました。さまざまな国や年代の人と交流することで、自分とは異なる価値観や考え方に触れることができ、人とのつながりの大切さを改めて感じました。また値段も高いところもありますが自分のよく行っていた温泉は週に一度使える学割を使い営業終了二時間前に行くことで700forint(350円程度)で入れます。自分はお気に入りのサウナも入りたいのでそれにプラスで1000forint(500円程度)払っていました。それでもかなりお得だと思います。ハンガリーにはブダペスト以外の地方にも温泉がいくつかあるので気になった方はぜひ行ってみてください。留学中文化や言語が違う中たくさんの壁に当たりストレスを感じることが多々あると思いますがそういった中で一つでもリラックスできる場所、ストレス発散方を見つけると留学生活が長くても快適に過ごしていけると思います。自分の場合はそれがバレーボールと温泉でした。

(iii)ビーチバレーに参加した時 (iv)お気に入りの温泉
また様々な武道がハンガリも人気で自分も興味があり複数の地元の合気道のクラブにメールを送り唯一受け入れてくれるという一つの団体の練習に参加することができました。練習に参加している方はほとんどがハンガリー人で年齢は50代くらいから小学生ぐらいの若い子まで様々でした。面白いことに動作を教える時、ほとんどはハンガリー語なのですが掛け声、数字、始まり終わりの挨拶などは日本語で行います。さらに礼儀や作法まで丁寧でマットから出る時は必ず一礼するなど武道に対しての真剣さが伺えます。
街並みに関しては歴史的な建築の美しさが日常風景にあり黄色のトラムが走り抜ける光景がどこか懐かしさを感じさせれ絵画のような世界でした。特にドナウ川沿いから眺める国会議事堂は圧巻で夜になると街全体が落ち着いたオレンジ色にライトアップされるのがハンガリーの特徴でありお気に入りの景色です。

(v)夜の国会議事堂
【今後の課題】
留学という期間は自分の人生に良くも悪くも大きな影響を受け貴重な経験をすることができました。この期間に得られた新しい知見を今後の人生にどう活かすかが課題になります。この留学で得た英語力やハンガリー語は友達と連絡を取り続け日本に来る予定の方もいるので今度は自分が日本を案内しようと思います。新しく知った知見や考え方はいいものは自分のこれからの人生に取り入れ新しいことを挑戦し続ける人材になることが課題です
