静岡大学国際連携推進機構

在学生
の方へ

留学プログラム

交換留学

ネブラスカ大学オマハ校(アメリカ)

  • 留学期間:2019/08~2020/01
  • 学部等:人文社会科学部

【留学の成果】
■タイトル:留学は出会いも世界も広がる最高のチャンス
 留学をするかどうかの大きな違いは価値観の広がりだと思います。日本国内にしか住んでない状態で、日本は幸せだと感じられることは、メディアの情報や他の人の話でしか海外の生活を聞いていないし、自分の目で見て経験してから初めて比較することが可能だと思います。「百聞は一見に如かず」まさしくこの言葉の通り、もっと広く世界を見たからこその日本は安全で良い国だと実感できると思います。そして短期間の留学ではなく、ある程度の期間の滞在によってその国やその地域の特質が分かってきます。これは現地に住んでみて日常を味わうことでしか感じることはできません。そして僕自身がオマハに住んでみて感じたことは、街中で出会うオマハの人たちはとても親切で知らない人でも挨拶を交わすくらいにフレンドリーな人の多い地域でした。日本はよく親切な国とか、おもてなしと言われますが果たして本当にそうだろうか?という疑問を持つきっかけでもありました。オマハは田舎の地域なので、遊べるところは少ないです。車がないと移動も大変だし、バスは外で待たないといけないので冬はとても寒いです。
 でも、そんな地域でも、たくさんの出会いがあります。ヨーロッパや東南アジア、世界中から留学生が集まるアメリカでは、出会いの連続です。この「出会い」というものが留学で得られるもののなかで最も大きい価値の一つでもあります。たくさんの国からの人たちと知り合うことでその人たちの価値観やその国の考え方、基準が分かります。そして、そこで日本との比較ができます。もしかしたら、自分にとっては日本での考えた方よりその国の考え方の方が納得いくこともあるかもしれません。その比較の中で、新しい自分が見つかるかもしれません。とにかく国内にいるだけでは必ず会うことは不可能だった人たちと会うことが出来ます。そして、今の時代はSNSでお互いの国に帰った後も連絡を取り続けることが出来、その国に旅行に行って再会を果たすこともできます。日本国内ですらいろんな考え方の人がいます。世界にはもっといろんな考え方の人がいるし、宗教の種類もいろいろです。日本では「不審者」扱いされる宗教勧誘もアメリカでは普通に行われますし大学構内にもあり、所得の格差も街中で顕著に見えます。
 留学して感じたことに授業中の雰囲気の違いもありました。日本の大学では、一方向的な授業が多くて、生徒たちの発言の頻度もほとんどないと感じます。ですが、アメリカでは授業を止めてでも質問する人はいますし、授業の雰囲気も活発なものが多いです。これはとても分勝気な違いを感じましたし、日本人のミスしないように発言を控えるという傾向を改めて強く感じました。あとはやはり、アメリカの大学の授業では日本の大学に比べて圧倒的に宿題に数は多いです。テキストを読んでくる宿題やレポート、小テストのようなものまでほぼ毎週あります。なので、基本的には学校が終わった後は学校の図書館や自室で宿題をする時間が必要でしたし、授業の合間にも宿題をしていることが多かったです。
 アメリカの大学にはサークルというものはありませんがFacebookなどでグループを作って、一緒に毎週バレーやサッカーなどスポーツをやっていてそこでは、新しい友達もできますし、日々の勉強のストレスを解消できます。スポーツ好きな人にとっては日本よりも多くの運動をする機会が整っているのでとてもおすすめです。特に大学構内のジムはとても施設が整っていて、学生なら無料で入れるので、そこで筋トレをしたり、ロッククライミングをしたりなどの珍しいスポーツも体験できます。
 UNOはキャンパスが二つに分かれていて、ビジネス、経済系の授業とそれ以外の授業によってバスの移動が必要になります。そのため、時間割を組む時点で教室の位置関係や時間調整をうまくしておかないと、絶対に授業に間に合わない組み合わせになることもあるので注意が必要です。アメリカの時間割は、日本のように時間帯で決まっておらず、それぞれの授業が自由に時間を設定しています。基本的には週二回の1回1時間15分授業が通常で、それで3単位という計算になります。週一回の授業は2時間40分の授業などがあり、英語に慣れていないときは授業中に脳が疲れて、眠くなったり英語が急に理解できなくなったりすることもあったので覚悟が必要な授業だと思います。もし2セメスター留学するのであれば1回目のセメスターでは週二回の授業だけを取ることをお勧めします。僕自身の感覚だと、3カ月ほどから授業の理解度が大きく伸びるという感覚で、2時間40分の授業も一つとっていましたが、授業の前の空き時間に必ず昼寝をするようにしていました。授業のための準備は宿題だけではなく英語を聞くための脳の準備も必要です。基本的に生活のほとんどは英語で成り立っていますし、この環境というのは思っている以上に頭を使っています。そのため日本の授業を受けることの何倍もの努力と集中が必要です。留学期間を無駄にしないためにも、英語を聞いて理解するということに対する対策は事前にできるだけたくさんしておくことが必要だと感じました。
 留学に行くことには様々な準備が必要です。ビザなどの外国に住むための準備、英語を聞いて理解し英語で答えるための準備、生活環境が大きく変わることに対する準備等、本当に多くのことをしなければなりません。そして、そのほとんどは自己責任の下で行わなければなりません。今英語が話せないけど話せるようになるために留学したいのであれば、それ相応の対策や勉強は必要ですし、特にボキャブラリーはとにかくたくさん覚えておくことが必要です。でも、この「覚える」という認識は高校までにやってきた「テストのために日本語の意味を覚える」というものとは全く別物です。英語で生活するうえで一番大事なのは「英語を英語で理解すること」です。英語の動詞や言葉出てきたときに日本語の意味が浮かぶことも確かに必要ですが、それ以上にその言葉のイメージが浮かぶということが大事です。これはとにかく英語を聞いて、耳と脳を慣らして、単語を反復して使うということしかありません。英語は言語なので繰り返し使うことで身についていきます。
 この留学で得られたものはたくさんあります。多くの人たちとの出会い、日本ではできないような体験の数々、日本とは全く違う価値観。他にも多くの発見がありました。留学に行くことは語学力を伸ばすだけでなく、その面以外での成長もたくさん味わうことのできるとても大きな価値を持つ体験です。パスポート取得率先進国ワーストに入る日本ですが、もっと多くの人が海外に興味を持って多くの挑戦をしてほしいと思います。もちろん交換留学はある程度ハードルは高いです。ですがそれに挑戦することで、必ず得られるものはあります。また、短期間でもいいので語学学校など生の英語に触れられる環境に身を置くことは英語を伸ばすためにとても有効です。もちろんお金はかかりますが、それ以上に得られるものは多いと確信しています。誰でも行けるものではありません。でも、この文章を読んで少しでも多くの人が海外に興味を持って挑戦してみたいと思ってくれることを願っています。

ページの先頭へ