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留学プログラム

交換留学

ネブラスカ大学オマハ校(アメリカ)

  • 留学期間:2020/08~2021/3
  • 学部等:理学部

 留学期間も折り返し地点を過ぎ、今は冬休みです。8月の末にこちらに来たのが嘘かのように、日々が過ぎ去るのは早いと実感しています。渡米直後は授業についていけるのか、英語だけの環境で生活していけるのか等、いろいろな不安がありましたが、ここまで大きな問題なく来ることができました。
 まず学習面について。基本的にこちらでは受けたい授業を履修することができ、日本では受けられない授業も受けることができます。前期、僕は専門の物理の授業を二つと心理学、ブラックスタディ、サッカーを履修しました。物理の授業は既に日本で学んだ分野を履修しました。用語や英語特有の言い回し等、慣れないこともありましたが、数式は世界共通の言語なのでその扱いに戸惑うことはありませんでした。一方で心理学はかなり苦しい思いをしました。専門性が高く、週に二回の授業毎に宿題が出ます。たくさんの専門用語を覚える必要があり、暗記が苦手な僕は苦労しました。初めは日本語に訳して英語と日本語を覚えていたのですがあまりにも量が多かったので途中から英語を英語のまま理解するようになりました。そのため英単語を知っていても日本語の訳が分からない単語は多々あります。さらに学期の中間に出された、30分程のPodcastを聞いてその感想を書く宿題にも苦労しました。いくらやる気があってもそもそも英語が聞き取れなければ何も書けません。日本語が話せるアメリカ人の友達に助けてもらってなんとか提出しました。ブラックスタディはアフリカンアメリカンに関する授業です。アフリカから黒人が奴隷として新大陸に入ってきて、独立戦争や南北戦争、二度の世界大戦を経て現在に至るまで、黒人がどのように扱われ、どのように白人達と向き合ったのか学びました。この授業は日本では間違いなく学ぶことのできない内容でした。それに関する知識をほとんど持っていなかったため多くの新しい知識を得ることができました。サッカーのクラスはとにかく楽しかったです。同じクラスの学生達とサッカーの話をすることができたのはいい思い出です。どの授業にも中間テストが2,3回あり宿題も定期的に出されます。テスト期間だけ勉強するというわけにはいかず、常に何かしらの宿題に追われている状態でした。アメリカで単位を取ることは日本よりも大変だと実感しました。
 次に生活面について。ネブラスカは内陸部なので夏は暑く冬は寒いです。夏は30℃を超え静岡と同じように暑いです。ですが冬は日本と比べ物にならない程冷え込みます。10月の末に雪が降り非常に驚きました。その後ずっと寒いわけではなく10℃を超える時もあれば最高気温が氷点下を下回るときもありました。寮から歩いて10分程のところにスーパーがあるのですが、あまりに寒いと出かけるのが億劫になります。食事は、寮内に食堂があり、ミールプランに申し込めばいつでも好きな時間に利用することができます。僕はミールプランに申し込み、夕食は基本的にそこで食べています。友人達とその日あったことを話しながら食事をするのは日々の英語能力の向上につながっていると思います。寮ではアメリカ人3人のルームメイトと共に生活しています。常に一緒に遊ぶわけではないですが、授業の状態を聞いたりこの先の予定を話したり友好的な関係を築くことができています。僕はコーヒーが好きで週末になるとよくダウンタウンのカフェに行きます。市内をバスが走っており、UNOの生徒は無料で利用することができます。ですがオマハの街は静岡よりも田舎です。ダウンタウンに行ってもパルコや髙島屋のようなお店はないし、ショッピングモールに入っているお店もイマイチです(これは好みに依るもしれませんが)。田舎なので治安は比較的良いです。一度スターバックスに財布を置き忘れてしまったことがあったのですが、無傷で戻ってきました。日本のように居酒屋はありませんが、バーやクラブ、パブはこちらにも多くあります。そのようなお店に入る時や、スーパーでお酒を買う時は毎回IDやパスポートの提示が求められます。日本よりはるかに厳しいルールです。こちらでは21歳からお酒を飲むことができ、年上のヨーロッパ人の留学生達とよく出かけました。
 ここまで長期休暇を利用してポートランドとニューヨークに旅行に行きました。ポートランドは西海岸オレゴン州の都市です。ブラックフライデーを利用して買い物をしたり、NBAの試合を観戦したりしました。ポートランドは市内を鉄道が走っていて1日5ドルで乗り放題です。改札口にスマホをかざすだけで利用でき、移動はとても楽でした。それほど大きな街では無いもののカフェやバーが多く、コーヒーやお酒が好きな僕にとって最高の街でした。ニューヨークではセントラルパークで年越しのカウントダウンをしたり、自由の女神を見たり、まさにテレビやネットでしか見た事のない世界に飛び込むことができました。一方で戦前に建てられたような古い建物がたくさんあったり、地下鉄の駅は汚いところが多かったり、実際に行ってみないとわからないことも数多くありました。物価はやはり日本より高いです。バーガー1つとハイボール1杯でチップを含めて30ドルした時は驚きました。一週間の滞在でしたが世界の中心を思う存分楽しむことができました。
 留学生活は常に刺激的で有意義なものになっています。もちろん日本にいる友人や恋人、食事が恋しくなる時はあります。友人のインスタグラムの投稿で美味しそうな料理や居酒屋でお酒を飲んでいる姿を見て、日本に戻りたくなる時もあります。ですがこちらの生活は日本では経験のできない事や知ることのできない事の連続です。学校での生活はもちろん、一歩街に足を踏み出せば日本と違う事ばかりです。レストランでのチップや店員さんの対応、町の人々の様子などはじめはすべて真新しく見えました。UNOには様々な国籍の学生が在籍しており、イタリアやドイツ等ヨーロッパからの留学生だけでなく、エルサルバドルやニカラグア等中南米諸国出身の学生ともつながりを持つことができました。お互いの文化や言語について共有しあうことで、自分が全く知らない世界や歴史が数多くあることを痛感します。それと同時に日本には素晴らしい文化や海外に誇るべき物がたくさんあることにも気付かされました。こちらに来て辛いことの一つは入浴できないことです。日本にいた時は下宿先でもほぼ毎日入浴していた僕にとってシャワーしか浴びることができないこちらの生活はゆっくり休める時間を奪われたような気がします。また英語での意思疎通がうまくいかず、もどかしい思いをすることも多いです。言いたいことが言えるようになったり、相手の言っていることが理解できるようになったり、渡米直後から英語能力の向上は少なからずあると思います。それでも日本語のように何の不自由もなく会話ができるレベルには達しておらず、自分に苛立ったり不甲斐なさを感じたりすることが往々にしてあります。自分の周りの人と不自由なくコミュニケーションを取れることがいかに楽で幸せなことか、実感しました。残りの留学期間も貴重な体験をたくさんして、成長した姿で日本に帰国したいです。

【滞在費】 
・往復の航空運賃:200,000円
・教科書・授業諸費用(1学期間):30,000円
・食費(月):20,000円
・住居費(月):90,000円
・通信費(月):5,000円
・現地保険料(月):15,000円
・現地交通費(月):0円
・その他必要経費:旅行費150,000円(国内旅行2回)

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