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交換留学

ソフィア大学(ブルガリア)

  • 留学期間:2019/09~2020/03
  • 学部等:人文社会科学部

 Здравейте, как сте? (こんにちは、お元気ですか?)Sofia University St. Kliment Ohridskiに留学しております、経済学科4年の大久保 将崇と申します。現在(2020年2月末)では、留学を開始して約5ヶ月が過ぎました。自分の報告書では、自分が留学に来る前に知りたかった情報を中心に、ブルガリア留学の様子を、以下の流れで共有していきたいと思います。

1)留学費用について
2)ブルガリア留学で英語力を伸ばすことについて(授業についても少し)
3)ブルガリアでの生活(寮・物価・治安・気候)について
4)ブルガリア語の学び方について
5)最後に

※留学の様子を詳細に書き記すため、未知の地に行き、自分でなんとかしていくのを楽しみたい人は、読まないほうがいいかもしれません。

1)留学費用について
 「留学でかかる費用」についてが自分の一番気になることでした。そこでまずはそれについて、自分の場合の生の声を届けたいと思います。変動費に関しては、個人差がある上、その月の過ごし方によって変わってしまいます。一応自分が大体かかっている費用を載せましたが、もっと費用を抑えようと思えば押さえられると思います。これにプラスして、色々な国に出かけたい人は別途、旅行費がかかってきます。まとめると、30万円+(4~5万円×10)=70万~80万円 という事になります。
~渡航前~
・パスポート(10年間有効) 1,6000円
・ビザ取得費 0円
・航空券(往復) 約150,000円
・海外保険(学研災付帯海外保険) 約100,000円
・OSSMA加入費 約30,000円
 計 約300,000円
~現地生活~
固定費
・寮費(光熱費含む) 約82レバ(約5,000円)
・交通カード代 21.5レバ(約1,300円)
・Wi-Fi代 15レバ(約930円)
・携帯SIM代 15レバ(約930円)
・ジム代 40レバ(約2,500円)
 小計 約10,000円/月
変動費
・食費、日用品費、娯楽費、交際費 等
 小計 約30,000~40,000円/月(個人差あり)
 計 40,000~50,000万円/月

2)ブルガリア留学で英語力を伸ばすことについて(授業についても少し)
 自分が2番目に気になっていたことが、「ブルアリアに留学することは英語力を伸ばす環境としてどうなのか?」という事でした。「母国語が英語ではない国でどの程度、英語を使う機会があるのか?」皆さんも気になるのではないでしょうか?自分の結論としては「ブルガリアで英語力を伸ばす環境は十分に整っている。」と肯定的です。個人的にも英語力の向上を実感することができています。
 まず、ブルガリアの母国語はブルガリア語で、日常生活(買い物等)は基本的にブルガリア語での生活になります。30代以下かつ大学に通っていた、あるいは、通っている多くのブルガリア人は英語を上手に話すことができますが、それ以上の年齢層になると、話すことができる人の割合は大きく下がります。しかし、日本からの留学生は、英語で開講されている授業を専ら履修することになり、そこから友好関係を築いていくことが多いので、一緒にお出かけしたりする人は、基本的に英語を流暢にしゃべることができる学生同士です。つまり、授業の時と学生と遊んでいる時は基本的に英語に囲まれた環境に身を置くことができます。
 ここまでお読みいただくと「ブルガリアでも英語のスキルを伸ばすことができそう」と感じたのではないでしょうか。しかし、注意してほしいことが2点あります。①英語で開講されている授業に限りがある。②学部によっては大人数で授業が行われるため、授業内で英語を話す機会はあまり無い。の2点です。以下、順に説明していきます。
①英語で開講されている授業に限りがある。
やはり英語で授業が開講されているといえど、ブルガリア語の授業も、もちろん開講されているため、その数には限りがあります。これによって何が起こるかというと、履修したかった授業が英語で開講されていなかったり、あまり興味の無い授業を履修しなければならなくなるかもしれません。そのため、前もって、どのような授業が開講されているか確認することは必須です。今年のセメスターのものになりますが、それぞれの学部の開講科目を確認できるサイトのURLを貼りますので、確認ください。(おそらく、毎年似たような授業が開講されています。)
https://erasmus.uni-sofia.bg/site/income/courses/course-list-for-the-2019-2020-academic-year/
②学部によっては大人数で授業が行われるため、授業内で英語を話す機会はあまり無い。
これは、文字通りの意味ですが、自分はこれについて留学前に勘違いをしていたのでこの場に出しました。自分のイメージとしては、こちらの大学では少人数で授業中に討論し合うことが多々あり、そこに英語のアウトプットする機会があると思っていました。しかし、自分の所属している学部「Faculty of Economics and Business Administration」は生徒数も多く、授業は基本的に大教室にて行われます。そのため、講義は教授からの一方通行で進んでいくことが多いです。リスニング力は鍛えられますが、授業を受けていくだけではスピーキングおよびライティングの能力向上は望めません。ほかの学部に属している人の話を聞くと、ほかの学部は比較的授業内でディスカッションする機会が多いように思います。
 この章で私が言いたいことを要約すると、「ブルガリアで英語力を伸ばす環境は十分にあるが、授業に参加したといって4技能の能力がすべて伸びるわけではなく、自分でアウトプットする環境を作る姿勢がおそらく英語圏に留学するよりも必要になってくる」ということです。

3)ブルガリアでの生活(寮・物価・治安・気候)について
・寮について
 ソフィア大学では留学生に寮を提供していただけます。上にも書きましたが、寮費は約5000円/月(1レバ=62円の時)と破格です。正直それほど綺麗ではなく、部屋によっては小さいゴキブリがよく出現します。しかし、基本の設備は整っており、自分は満足しています。寮は相部屋で、机、ベッド・布団、クローゼット、トイレ、シャワー、暖房が装備されています。自分はIHコンロ、冷蔵庫、電子レンジを購入し生活の質を上げました。洗濯は、洗濯屋さんが260円くらいで乾燥までしてくれます。コンセントの形は、C型と呼ばれる物で、他のヨーロッパ諸国と同じ型です。電圧は220~240Vです。この電圧は日本より高いので、対応していない電化製品を持って行く場合、変圧器が必要です。今時、ほとんどの製品が海外電圧にも対応しているので、自分は必要ありませんでした。コンセントをA型→C型に変換するアダプターは3コくらい持って行けば良いと思います。ちなみに、寮ではいきなりアクシデントが起きることがあり、この5ヶ月で、水が2回止まり、電気が1回止まりました。
・物価について
 物によりますが、日本に比べて物価は安いものが多いです。これについては、以下のサイトが良くまとまっているため、ご確認ください。
 せかいじゅうライフ https://sekai-ju.com/life/bgr/life/bulgaria-cost/
 簡単に少し述べると、食材の値段は日本のスーパーで安売りされている時の値段程度で、日用品の値段は日本のそれとほぼ同じです。タクシーやレストランでの食事は、日本に比べて安いと感じることになると思います。
・治安について
 治安は、ネットに描写されている状況よりもとても良いように感じています。バスや地下鉄では、ほぼ全員が後ろにリュックを背負っていますし、街での喧嘩は1回しかまだ見たことがありません。人種差別をされたこともありませんし、犯罪に巻き込まれたこともまだありません。
自分の留学時はコロナウイルスが流行していることもあり、同じ留学生の中にはそれに関して、嫌がらせの発言を浴びた人もいたようですが、自分はいまのところ経験ありません。
・気候について
 ブルガリアについて調べると、「寒そう」、「雪が多そう」という印象を受けると思いますし、自分も渡航前はそう思っていました。今年が例年と違う年でもあるみたいですが、積もるほどの雪は3回程度しか降っていなく、雪に参ってしまうことはありませんでした。気温も12月から朝と夜は氷点下に入りますが、寒さに対しては対策の余地があるので大丈夫です。雨も全然降らなく、傘を差したのは5回ほどしかありません。
 総じて、空気は乾燥していますが、過ごしやすい環境にあると思います。ちなみに、バスで15分ほどのところに、Vitosha山があり、夏はハイキング、冬はスノーボーディングが楽しめます。

4)ブルガリア語の学び方について
 静岡大学はブルガリア語の授業が無いため、「どのようにブルガリア語を学べばいいか?」困る人が多いと思いますし、自分もそうでした。正直、必要最低限のブルガリア語(あいさつ、買い物表現)を覚えてしまえば生きていけますが、ブルガリアに留学を志す人の中には、ブルガリア語に興味を抱く人も多いと思います。そこで、自分が使用した、教材をここで少し紹介しようと思います。
~文法~ 
・寺島憲治(2019)『ニューエクスプレスプラス ブルガリア語《CD付》』
 この教材が、唯一日本の書店で販売されている最新のものでしょう。薄い本ですが、しっかり基本的な文法を網羅できます。
~単語~
・『ブルガリア語フラッシュカード: 重要単語800語フラッシュカード Kindle版』
 これは、日常会話で使う800語がフラッシュカード形式で掲載されています。Kindle Unlimited(月額990円)に入っていれば、すぐダウンロードできるのでおすすめです。余談ですが、Kindle端末は、目が疲れにくく、バスの中でも読みやすいサイズなので、購入して損は無いと思います。
~表現系~
・BulugarianPod101.com https://www.bulgarianpod101.com/
 これは有料のサイトですが、ブルガリア人が教材を作っているため、役に立つ表現が多かったです。とはいえ、月額25ドルと高いので、あまりおすすめしません。それと、YouTubeで教材の一部が無料で見ることができ、それだけでも十分に勉強できます。

 ブルガリア語の学習は、これらの自主学習に加え、ソフィア大学で開講されているブルガリア語の授業を受講すれば、ブルガリア語の理解は大いに深まると思います。
(注)ブルガリア語の授業を受けようと思ったら、渡航前のStudy Planに’’Bulgarian language’’の科目(例えば「Bulgarian for foreigners A1」等)も、自分が所属しようと思う学部の授業の他に、入れておく必要があります。そうでないと、履修できません。

5)最後に
 自分は、1年卒業が遅れるのですが、そのデメリット(?)を差し引いても、留学をしてよかったと心から言うことができます。留学することにおいて、語学力を伸ばす環境・機会があるのなんて、メリットのほんの一部です。よく言われることではありますが、いろいろな経験ができたり、いろいろな価値観に触れることができるところに、留学の本来の価値があるように、自分は強く感じています。それらをもたらしてくれる対象は、現地の人や他の国からの留学生に限らず、同じ日本からの留学生も含まれます。そのような刺激的な環境にいると、必然的に何かを感じ、考えることになります。ここから得るものは大きく、何を得るかは人それぞれでしょうが、自分の場合は、自分という存在をより深く理解することに役立っています。
健康寿命が延びている今の時代において、早い段階から自分の軸を決められることは、卒業が延びたとしても、長い目で見ればとても良いことだと思います。留学しようと少しでも考えている人は、チャンスがある限り、ぜひ挑戦してみてください。
 ここまで、読んでいただきありがとうございました。これは、自分が感じたことでありますが、静岡大学は留学がしやすい環境ですし(留学時に休学を選択すれば静大に授業料を払わなくて良い)、国際連携推進機構は、「留学する理由」を持っている人の背中を大きく押してくれる機関です。すこしでも留学に興味がある人は、「留学フェア」に参加してみたり、国際連携推進機構の先生に相談するのもいいでしょう。

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