静岡大学国際連携推進機構

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交換留学

コメニウス大学(スロバキア)

  • 留学期間:2016年9月~2017年6月
  • 学部等:教育学部英語科教育専修

気がつけば、早10か月が過ぎ、残り12日で帰国となってしまいました。ブラチスラバの旧市街に初めて足を踏み入れたのを昨日の事のように覚えています。この10か月間で私の身の回りに起きたことはどれもこれまでに経験したことのない素晴らしいものとなりました。
私にとって海外で生活する、さらに言うと日本を出るのは今回が初めてです。それまでは日本語だけ話せれば生活できていたのが、こちらではそうはいきません。街中で聞こえてくる言語の大半はスロバキア語、まれに英語。こちらに来たばかりの時は、お世辞にも英語のコミュニケーション能力があるとは言えませんでしたから、英語ですら理解できないことも多々ありました。となると、毎日が学び、発見、驚きの毎日です。最初は日常生活に困らない、スロバキア人にあったときに自己紹介ができるという程度のスロバキア語の習得に努めました。こちらに来て最初の一週間は大学のウェルカムウィークの中のスロバキア語プログラムに参加し、その後は引き続きスロバキア語の授業を履修しました。最初から分かっていたことですが、活用、文法、文章の組み立て方が非常に複雑で、途中からは便利なフレーズや単語を覚えて使うということに移行してしまいましたが、自分の中に新しい言語観を取り入れることができました。結局未だにスロバキア人が話していることを理解することはできませんが、外国語は英語だけではない、という考え方を得ることができ、非常に良い経験になったと思います。
スロバキアは中欧の真ん中に位置し、その文化や食事などは周辺の国から大きく影響を受けています。国間の移動も電車やバスで容易にかつ安く済ませることができ、周辺都市への旅行が気軽にできます。また、治安もヨーロッパの中でも群を抜いて良いというのも魅力の一つではないでしょうか。ただ、最大の魅力は物価の安さです。衣服や電化製品はそれほど大差ありませんが、野菜やビールが日本では考えられない値段で売られています。工夫して自炊すれば一か月の食費を6000円以下に抑えることも可能でした。ただし、こちらに来てすぐの時と現在では、ユーロと円の為替も大きく変動し、9月頃には112円くらいだったのが、今は124円くらいになっています。こちらに来るまでは為替のことなど考えたこともなかったのでこれも一つ経験です。
さて、一番大切であろうこちらでの学びに関して書きます。コメニウス大学には理系文系問わず多数の学部学科があり、自分が勉強したい分野の授業を見つけることが可能です。ただし留学生用に英語で開講されている授業はそれほど多くないので多少の制限はあるかと思います。もちろん、静大の共通教育英語のような授業を履修することも可能ですが、本気で英語を勉強したい、英語の能力を向上させたいといういわゆる語学目的の人にとっては、物足りなさを感じてしまうかもしれません。個人的にはヨーロッパに興味のある人にスロバキアへの留学をおすすめします。ヨーロッパの教育や経済、地理や言語などに興味がある。ヨーロッパで生活してみたい、ヨーロッパの文化に触れてとにかく多くのことを経験したい、外国人の友達をたくさん作りたい、そういう人にぴったりです。留学する前に目的や目標を深く考えてしまう人が多いと思いますが、上記に少しでも自分が当てはまると思ったら一歩飛び出してみるべきだと思います。安くておいしいビールをたくさん飲みたいなんて理由でもいいと思います。スロバキア人と飲みに行くと、そのパブはいつも語学を学び、教える場になっていました。経験の可能性は無限大です。ヒッチハイクで国を回ったり、他の留学生と交流したり、こちらの日本語学科の人たちと日本語で話したり、スロバキアで野球をしたりと、自分が一歩踏み出せば全てが受け入れてくれます。必ず自分の世界と将来が大きく広がるはずです。
帰国まであとわずかとなってしまいましたが、スロバキアに留学に来て本当に良かったと思っています。こちらの友達、先生、また日本で帰りを待っている家族への感謝を忘れず、最後までやり残したことがないように毎日を充実させたいと思います。そして必ず無事に帰国したいと思います。

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