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交換留学

コメニウス大学(スロバキア)

  • 留学期間:2017年9月~2018年6月
  • 学部等:教育学部

私はスロバキアの首都ブラチスラバにあるコメニウス大学に留学をしています。皆さんはスロバキアと聞いてどのような国か想像することができますか?日本では(もしかしたら世界でも)あまり知名度のない国のように思います。なぜなら、私がスロバキアに留学をすると家族や知人に話したとき、第一に「スロバキアってどこ?」という反応をされたからです。恥ずかしい話、私自身も留学について調べる前までは場所すら知りませんでした。ですので、まず初めにこの国についての説明をさせていただきたいと思います。
 スロバキアは1993年まで元々チェコスロバキア共和国の一部でした。独立後はそれぞれチェコとスロバキアに分かれています。私たちの世代ではあまりピンときませんが、30歳以降の方はチェコスロバキアときくとなんとなくわかると思います。国としての歴史が浅いというのが知名度の低さに関係しているかもしれません。中央ヨーロッパに位置し、北西にチェコ、北にポーランド、東にウクライナ、南にハンガリー、南西にオーストリアと様々な国と隣接しています。首都のブラチスラバ(BAと訳されます)はスロバキアの西の国境付近に位置し、日本では音楽で有名なドナウ川が中心を流れています。スロバキアでもその音楽は有名なはずですが、その話をするとそんなに知らないという反応もあり驚きました。大きな都市に囲まれているため、歴史的に戦場となったり、いくつかの国の支配下に置かれたりしていました。付近のプラハやウィーンなどの都市と比べるととても小さい都市です。他の都市と近いためウィーンやハンガリー、プラハなどは日帰り旅行が可能です。中心には旧市街があり、ヨーロッパの古い街並みが見えます。丘の上にはテーブルをひっくり返したような形のブラチスラバ城があり、町のどこからでも見ることができます。
ざっと紹介をしましたが、留学するにあたり、歴史の浅く比較的スロバキアでは生活のイメージもうまくできなくていろいろと不安と思われた方もいるかと思います。次に、実際の生活について紹介していきたいと思います。
まず、食べ物についてです。主食は芋で、肉やチーズなどのおかずと一緒に食べます。伝統的な料理もチーズや肉を使ったものが多い印象です。少し重いなと感じることがありますが、おいしく食べることができます。基本的に食べ物の物価は低いです。特にビールがとても安いです。たまに水よりも安い時があります。水道水も基本的に飲むことができますが、保証はしないので不安な人は買った方がいいかもしれません。ちなみに私は一度もおなかを壊したことはありません。食べ物の種類も多く、チーズやワインなどは食べ比べや飲み比べが楽しめます。私は基本的に寮の食堂のようなところで食事をしますが、一回の食事で約2~3€(日本円で約200~400円くらい)で満腹になることができます。外国へ行った際、レストランではチップを払わなくてはならないと思う日本人は多いですが、ブラチスラバではそんなにチップに対して厳しくありません。律儀に正確にお釣りを返してくれる店も多いです。
次に寮について紹介します。ブラチスラバは中心部と居住区で分かれています。多くの留学生の方は寮に住むと思いますが、寮は旧市街から10分の寮群のようなところにあります。学生が多く住んでいて過ごしやすいと思います。スロバキア人だけでなく他の留学生もたくさんいるので知り合いを作り、いろいろな文化を知ることにも役立ちます。もちろん英語で会話するので良い機会になると思います。寮ではたまに祭りのようなイベントが開催されることもあります。運動するスペースや自主学習に使える自由なスペースもあり、深夜12時まで使うことができて便利です。私は空き時間に友人と卓球をして過ごしています。スポーツを通して友人を作ったこともありました。他にもスーパーやケバブやピザの店、コンビニが近くにあるので快適に暮らすことができます。全体的に公園のような場所なのでにぎやかでとても楽しいです。部屋は3人部屋と2人部屋があり、基本的に留学生のルームメイトと過ごします。私はそれが貴重な体験だと思っていて、仲良くなると生活も楽しくなると思います。
続いて人間関係についてです。まず、スロバキア人ですが、外見としては髪の色が明るく、背の高い人が多いです。男の人はもちろん女の人の身長も高く、初めは驚きました。逆に、私(165cm)よりも身長が低い女性が少ないくらいです。人相的には基本的に静かでシャイな人が多いような印象を持っています。また、時間にルーズな文化もあるみたいです。彼らの共通言語はスロバキア語ですが、大学生や一般人は英語を話す人が多いです。英語を目的として留学に行く人が大半だと思いますが、心配はいりません。外国語としてではなく、第2言語として英語を使う人が多いのでそれなりに流暢に話しかけてきます。逆に他の留学生と比べてスロバキア人の英語のレベルが高かったため驚いたほどです。それほど英語は浸透しています。老人に限っては英語を話せない人が多く、スロバキア語で話しかけてくることもありますが、あまりかかわる必要もないでしょう。日本に対する関心も高く、私は漫画やアニメを代表する日本の文化に関することで何回も話しかけられたことがあります。日本や韓国の文化に対する祭りも定期的に行われていてそこへ行くと日本のようにコスプレをした人に会えたり、日本人というだけで喜ばれたりするほどです。そしてコメニウス大学には日本語学科という日本語を勉強している学科もあります。彼らと知り合いになったおかげで英語の練習もたくさんできて、さらにスロバキアと日本の文化交流もできました。日本人はというと、とても少ないです。ですが、定期的に会合があるので知り合いを作ることができます。スロバキアに到着したとき、わからないことだらけで不安だったのですが、彼らが生活についていろいろと教えてくれたおかげで困ることなく文化になじむことができました。また、さまざまなイベントも企画してくれます。そこではスロバキア人の友人もたくさん作ることができるのでお勧めです。
次に留学のメインである大学の授業についてです。大学ではスロバキア語だけでなく英語でも開講されています。それは英語で授業されるという経験がほとんどない私にとって留学の一つの不安要素でした。初めはやはり、上手く聞き取ることができませんでした。でもわからないことを授業中にどんどん聞いていく周りの学生をみて質問することに勇気を持てました。授業後に先生にわからないことを聞きに行くことが多かったのですが、優しくわかるまで教えてくれたので良かったです。授業を聞いていくうちに徐々に聞き取ることができるようになっていったので、英語に自信がないという方もそこまで心配しなくていいと思います。フレンドリーで親切な学生も多いので友達もたくさんできたし、わからないことを聞くことも聞くことができました。そして、生活の中で自主学習の時間も多く、自由に時間を使うことができます。日本にいたころは課題や授業に追われて自分の思うようにできなかった私ですが、ここでは自分の英語力を向上させるためにじっくり勉強したり、他に興味があることなどを勉強したりすることができました。自分の教養を広げるためにも良い機会になっていると感じています。
スロバキアの生活はこのような感じです。初めは不安だらけの生活でしたが、今は充実した留学生活を送れています。私は日本にいたころ、将来に具体的な目標などを持っていませんでしたが、スロバキアでの生活でいろいろなことを感じ、考えて、少しずつやりたいことが明確になってきています。また、遠く離れたところでクラスことは大変で不安になることもありますが、それも含めて良い成長のきっかけになっていると感じます。文化や建物、人間性などは日本と異なるところばかりですが、そこが魅力です。自分の視野を広げるために素晴らしい環境です。これからの留学生活でより多くのことを身に付けられるように精進したいと思っています。

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