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交換留学

コメニウス大学(スロバキア)

  • 留学期間:2018年9月~2019年6月
  • 学部等:人文社会科学部

スロバキアに来て約4か月が経過しました。あっという間のようですが、とても長くも感じました。
 さて、この体験談を読んでいる方々はなぜ私がスロバキアに留学しようと思ったのか興味があると思います。1つ目の理由は、留学先のコメニウス大学がEU圏の大学であることです。ヨーロッパは各国が陸つながりになっていることが多く、国家間での協力が日本よりも盛んではないかと考え、その法規制について関心を持っていました。2つ目にスロバキアがヨーロッパの中央に所属しているため、各国に行き、それぞれの文化を感じることができると考えたからです。実際、スロバキアを含め各国の文化の融合したものを体験する非常に興味深い機会を得ることができています。
大学の授業は基本的にスロバキア語ですが、留学生、修士課程向けに英語で開講されているものもあります。私は英語で開講されている講義を受講しました。私の受講した講義はErasums プログラムの学生がほとんどで、講義もほとんどディスカッション形式で行われました。正直ついていくのはかなり大変でしたし、当初は英語の聴き取り、自分の意見を主張するという点についてはほとんどできませんでした。しかし、教授やほかの学生が助けてもらいながら、何とか乗り越えることができました。私がこの時に感じたのは、彼らは『英語を勉強する』ために来たのではなく、『英語で勉強する』ために来たということでした。留学は外国語を学ぶという先入観を持ってしまっていた私にとっては大きな衝撃でした。また、ヨーロッパの学生は他と異なる意見を発言することを恐れません。日本の講義では発言する際、正解を述べなければならない傾向が強いと感じていました。そのため、発言も積極的ではないことが多かったです。しかし、今回受講した講義では、ほとんどいつも発言を求められました。そのため、事前の準備を欠かさず行わなければなりません。
 コメニウス大学と寮は少し離れていますが、トラム1本で行くことができるので不便に感じたことはありません。また、公共交通機関は定期券があり、学生は通常価格の半額で購入することができます。チケットを購入せずに乗ると、時々抜き打ちでチェックされ、罰金を支払う場合もあります。私はブラチスラバに来た当初、危うく罰金を払うところでしたが、周りの人に助けられました。
現在私はコメニウス大学から紹介していただいた学生寮に滞在しています。寮は3人部屋で、トイレやシャワー、キッチンはもう1つの部屋と共同で使用しています。私のルームメイトはポルトガル人とスペイン人でした。彼らは非常に気さくで、同じ学部だったこともあり、課題を協力して行ったり、時には一緒に旅行や食事にいったりもしました。私はルームメイトに恵まれましたが、ほかの部屋ではトラブルがしばしば起きていることがありました。
食事はほとんど自炊で済ませています。スロバキアは食べ物の物価が比較的安いのですべて自炊するなら月約3万円程度で済みます。食事を作るのが面倒な時は食堂に行くことがありますが、大抵のメニューは5ユーロ以下で食べることができます。外食をするにしても10ユーロ程度で済ますことができるので、日本に比べて食費はかからないと思います。ただし、調味料に関してはなかなか見つからないのでアジアンマーケットや代用の調味料を調べたりして対応しています。スロバキアの食事の主食はじゃがいもが多く、ハルシュキというダンプリングの羊のチーズソース掛けやグヤーシュというスープが伝統的な料理としてあります。内陸国であるため、魚は少なく、スーパーでは鯉が売られているときもあります。
 スロバキアは1993年にチェコと分離独立した国家であり、比較的若い国です。実際街を歩いていると旧社会主義国家の雰囲気を感じることのできる場面がしばしばあります。例えば、スロバキアの人々を見ていて感じたのは、彼らは程よく適当なところがあります。また買い物に出た時のスーパーなどではどう考えても利益が出ないだろうと思ってしまう価格で物が販売されているときもあります。私が現在在住している首都のブラチスラバはコンパクトな街で、非常に暮らしやすい街であると思います。人が混み合っていなく、毎日が穏やかに過ぎていくイメージです。ただ、気候面では冬は非常に寒く、11月には既に雪が降ることもしばしばありました。現在も雪が降っており、4月ごろまでこのような天候が続くらしいです。年間を通して空気が乾燥しているため、ブラチスラバに来た時、気温は高かったですが、気温に対してそこまで暑いとは感じませんでした。
 また、年末にはスロベニア、クロアチア、ハンガリー、プラハ、フィンランドを巡り、各国のマーケットへ行きました。数時間のバス移動で他国へ行けてしまうのは不思議な感覚でしたし、マーケットにも各国の特徴を感じる場面がしばしばありました。今後できるだけ多くの国を巡ってより多くの経験を得ることができたらいいです。
 留学生活は常に刺激があり、私の知らない世界の多さを痛感させられます。コメニウス大学には多くの国から留学生が来ており、各国の国の特徴などの意見交換をする機会も多々あります。もちろん留学は楽しいことばかりではないし帰りたいと思うこともあります。しかし、それ以上に得ることができるものに価値があると私は考えます。残り6か月、自分がどうしたら多くのものを得ることができるか、そしてそれらをどのようにこれから生かしていくか考えながら過ごしていきたいです。

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