静岡大学国際連携推進機構

在学生
の方へ

留学プログラム

交換留学

アレクサンドル・イワン・クザ大学(ルーマニア)

  • 留学期間:2019/09~2020/02
  • 学部等:総合科学技術研究科工学専攻

■タイトル:ルーマニアの大学に留学
留学概要
留学先 :Alexandru Ioan Cuza University  (ルーマニア)
留学期間 :2019/09/27~2020/02/03   (4ヶ月)
主な活動 :講義の受講および研究室 (修士課程)
総費用 :約44万円 (日本出発から帰国まで)

はじめに
 僕は、Erasmus+という留学プログラムでルーマニアに4ヶ月留学しました。本稿では留学をこれから考えている方に向けて、僕が留学する前に持っていた疑問点などを僕の体験をもとにまとめてみました。あくまでもひとつの例ですが少しでも参考にしていただけたら幸いです。
 1.留学全体の流れ(大学生活や休日など)
 2.留学生活の流れ(1日の時間の使い方)
 3.留学費用まとめ
 4.他の留学生との交流
 5.留学して感じたこと

せっかくの留学する機会なので留学前に3つの個人的な目標を立てました。
 ① スキルを磨く
 ② 交流
 ③ 新しい環境への適応

“スキル”は英語を扱う能力や、講義で学ぶ内容、趣味で学ぶ内容を含めてこの留学で磨こうとしました。交流について、世界中の同世代の人たちが同じ大学に集まることで異文化交流や、友達作りを目標としました。新しい環境への適応について、僕は留学するうえでとても重要で固有な要素だと考えます。環境の変化は高校受験、大学受験、恋愛、サークルへの参加、研究室への配属など何度も体験しています。そして将来、就職活動にはじまり社会に出ても、会社のプロジェクト、チームで活動するという新しい環境に適応しなければいけません。今までのほとんどの新しい環境というのは、日本人、日本語、日本の常識の上に積み上げたものだと思います。留学することで、日本という環境から完全に離れ、異国の環境に適応する経験をすることで日本だけでなく世界的な環境の変化にも対応できる鍵を得ることができると思います。そして4ヶ月という短い期間ではありましたが留学後はこれらの目標を達成できたと感じています。

1. 留学全体の流れ(大学生活や休日など)

9月中にルーマニアに移動します。講義が始まる2週間前あたりから留学生たちが集まりはじめ、パーティやバーなどに遊びに行ったりと不定期なイベントがありました。不幸なことに僕は10月の第1週目まで重めの風邪をひいていたためほとんど外出できませんでした。あまりに症状が重く、寮での生活は3人部屋なので肺炎であった場合、大変なことになると思い現地の病院で受診を試みました。結果はただの風邪だったので安心しました。クレジットカードの付帯保険を活用して現地の医療機関を紹介してもらいましたが公立の病院は受診料が無料とのことで、薬代の数千円だけで済みました。大学が始まり僕は講義を3つ受講しました。1回の講義で毎週2コマ行います。(1コマ2時間なので合計4時間)、休日はESN(Erasmus Student Network)という留学生支援団体のようなものがヨーロッパの各地域に存在しており、その団体が不定期で主催するBBQイベントや言語交換イベントなどに参加しました。

冬休み期間のクリスマス、年末では、多くの人が実家に帰ってしまい寮は閑散とします。僕は年末にトルコ出身のルームメイトと一緒にトルコに行き、その人の下宿先の家に遊びに行ったり、親戚や幼馴染など、その友人と会ってご飯を食べに行ったりしました。

2.留学生活の流れ(1日の時間の使い方)
08:00 起床
10:00 講義開始
14:00 講義終了
14:30 昼ごはん
18:00 復習、勉強
19:00 夜ご飯作り
21:00 友人たちと談笑
24:00 就寝
僕の場合は1つの講義が4時間(基本的には2時間講義、2時間実験)でした。修士の講義は英語で講義を受けることができ、講義のあとは復習を行っていました。昼ご飯は値段がお手頃な学食で食べることが多く、1食300円程度でデザート、サラダ、スープ、メイン料理を頼むことができて値段的にも味的にもとても満足します。寮に帰宅すると、時間があるときはルームメイトと一緒によるご飯を作ったり、時間がないときはパスタを作ります。イタリア人の友人に本物のカルボナーラの作り方を教えてもらい、何度も練習しました。

3.留学費用まとめ
日本から出発し、帰国するまでの費用の合計を図aに、大学生活費の内訳を図bに示しました。

  <図a 全留学費用(4ヶ月)>

旅行費用は、休日や冬休みに友人たちと行ったトルコやイタリアなどでかかった費用です。渡航費用は新型コロナウィルスの影響で飛行機がキャンセルされ、追加購入したので少し高くなりました。

  <図b 留学生活費用(4ヶ月)>

4.他の留学生との交流
学生寮での生活について、留学生のほとんど全員が同じ建物で暮らします。そのため夕食をいろんな人と一緒に食べたり、誰かの部屋に遊びに行ったりします。食費を節約するためにルームメイトと共同で食材を買って料理を一緒に作ることも多々ありました。また休日は前述しESNが主催するイベントに参加して他の留学生の人と交流します。基本的にどの人もフレンドリーに話してくれます。僕は食べることが好きなので、寿司パーティをたくさん開いていろんな人に巻き寿司やちらし寿司を食べてもらいました。
1回目の寿司パーティは日本でいつもやっていたごはんの炊き方でやると、水が違う影響か、大失敗しました。いろんな人に聞いて、トルコ流の炊き方でやるとうまく炊けるようになりました。2回目の寿司パーティでは、具材選びに苦戦しました。なぜなら外国の人は日本人よりも魚が嫌いな人が多かったり、冷たい食品を食べないこだわりがある人、海苔は食べたくない人などが多くいます。そこでスーパーマーケットに売っている寿司を参考に、できるだけ小さく、野菜だけの巻き寿司、サーモンだけの寿司など好みによって選べるようにしました。このように毎回改良させながら合計5回寿司パーティを行いました。留学に行く前に巻き寿司やたこ焼き、お好み焼き、餃子など作れるようにしておくとより留学を楽しめると思います。

5.留学して感じたこと
留学している人たちはほとんど同世代で、砂漠で育った人、田舎町で育った人、豪邸で育った人など人それぞれ生活していた環境が異なっていたり、イスラム教やキリスト教など宗教が異なっていたり、心理学や文学、体育など学んでいる内容が浜松キャンパスには無い種類の学問を専門としている人がたくさんおり、とても刺激を受けました。そのような違いがある中で改めて日本という小さな島国の影響力の大きさを感じました。特にアニメが好きという人が多く、「ぶっとばす」「コノヤロー」といった日本語をアニメで覚えたと言っていたり、日本の車の多さなど、よく見ると身の回りにたくさんありました。しかし、それらは歴史がある会社ばかりで、GoogleやHuaweiのような新しい会社と同じ年代に日本できた会社は何があるのだろうかと思いました。また、ヨーロッパにはエラスムス計画という留学プログラムがあり、アゼルバイジェンの高校を卒業してルーマニアの大学に入学したという人もいたりと留学が当たり前なのだと感じました。留学したことがある人が多いおかげか、いろんな人にとても親切にしてもらいました。日本に戻ったら、日本に留学している人たちと何らかの形で関われたらと思います。

謝辞
今回留学を行うにあたって、日本とルーマニアの国際交流課の方々、大学の先生方をはじめ多くの方にお世話になり、すべての方に感謝します。

ページの先頭へ