静岡大学国際連携推進機構

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留学プログラム

交換留学

アルバータ大学(カナダ)

  • 留学期間:2022年8月~2023年5月
  • 学部等:情報学部

【授業】
授業は、Fall Termで4つ、Winter termで4つの合計8つの授業を履修しました。授業は1学期につき、最大5つまで履修できますが、5つ履修するとかなり大変(正規の学生もとても大変と言っていた)と言っていたので、私は4つ授業を履修していました。
アルバータ大学で、私はFaculty of Artsという学部に所属していたため、様々な文系科目の授業を履修することができました。学部生の各授業は、100~400レベルで分けられており、レベルが上がるほど、より専門的でその学問分野での応用的なトピックが扱われます。課題の難易度も上がります。

少し具体例を挙げると、100レベルはその学問分野の基本的な理論を学ぶことを目的とし、教授の話を聞くことがベースです。200, 300レベルになってくると、授業内でのディスカッションが増え、グループワークの課題が出ます。400レベルの授業は4年生が履修していることが多いです。

Fall Termでは、政治学 (Political Science)の①100レベルと②200レベルの授業、社会学(Sociology)の③200レベルの授業、ジェンダー学(Women and Gender Studies)の④100レベルの授業を履修しました。静大での専攻と全く違う分野(例えば政治学)の授業を履修していたため、秋学期は、その学問分野の基本的な理論を学ぶために100レベルの授業も履修していました。

以下がFall Termで履修した授業の簡単な説明です。
① Introduction to Political Science
政治学で使用される基本的な理論(ナショナリズム、ポピュリズム)などを学びつつ、国連の基礎知識なども学ぶといった政治に関するテーマを幅広く学びました。一応、セミナーというタイトルの授業だったので、先生の講義は序盤で終わり、授業の残り時間はディスカッションがメインの授業でした。政治学に関する基本的な知識を現代で起こっている出来事を関連させながら学ぶことができたので、面白かったです。
② The Politics of Gender
政治に関する問題を考える際に役立つジェンダーの視点や各フェミニズムの基礎的な知識、ジェンダーから考えた政治問題(カナダにおける先住民族女性の問題など)について学びました。ジェンダーからの視点が政治学でいかに重要であるかということを学ぶことができました。
③ Introductory Sociology of Globalization
グローバリゼーションがどのようにして起こったのか、グローバリゼーションにおける問題、資本主義の仕組みなどについて学びました。先進国、発展途上国といった分類がなぜできたのか、資本主義とは、などについて考えるきっかけをくれた授業でした。
④ Representation of Girls and Women
ジェンダー学の基本的な授業で、ジェンダー差別などが社会や文化でどのように根付いているのか、それらを分析するための基本的な理論について実際の例(社会運動、アート作品やディズニー作品)を通して学びました。

Winter termでは、政治学①200レベル、②300レベル、ジェンダー学③200レベル、先住民族学(Native Studies)④100レベルの授業を履修しました。
① Topics in Political Science: Introduction to Critical Disability Theory
Critical Disability Studies(以下CDS)がメインである政治学の授業です。CDSとは、障害を政治的、文化的、歴史的な側面から理解することを目的とする学問分野です。優生学の歴史、障害に対するステレオタイプ、それらに対する批判的な理論について学びました。日本では中々見かけないCDSについて学ぶことができたので、有意義な授業でした。
② Topics in Gender and Politics
テロリズムの定義などをジェンダーや人種、宗教などのその他の視点から再度見つめなおすという授業です。実際に起きたテロと考えられる事件を取り上げていたりしていたので、大変興味深い授業でした。
③ Critical Issues: Black Feminism
ブラックフェミニズムについてのジェンダー学の授業です。ブラックフェミニズムから生まれたジェンダー学の理論、黒人女性が直面してきた・抱える問題を歴史的、文化的な視点から学びました。あまり語られることがないカナダにおける黒人奴隷の歴史についても触れていて、カナダの新たな側面も発見することができ、興味深かったです。

④ Historical Perspectives in Indigenous Studies
先住民族の歴史について学びました。先住民族の方が、イギリス、フランスとどのように交流して、西洋からの移住者にどのように迫害されていったのか、また先住民族の方の認識論を西洋の認識論と比較しながら学びました。カナダの歴史を先住民族の方の視点から見ることで、「カナダの歴史とは」について深く考えるきっかけとなりました。

私が履修した授業は、クラスメイトとディスカッションをする時間があったり、先生が授業中に学生に質問を多く投げかけたりなど、能動的な授業形式のクラスが多かったです。毎回もしくは毎週の授業の前までに、課されたリーディングを読まないといけなかったので、それを読むことが授業の予習となっていました。

課題は、日本にいたときに取り組んだことがないようなエッセイだったり、グループの課題があったりしました。(例えば、パートナーとポッドキャストを作る課題や、annotated bibliographyという集めた各文献を要約して、自分の評価を述べる課題など。) 戸惑うこともありましたが、友達やアカデミックセンターに助けてもらったり、オフィスアワーで教授にその課題に対するアドバイスをもらったりして、課題形式にも慣れていきました。
各授業に関する情報や課されたリーディング、課題の提出先はeClassというサイトにあります。これはとても重要なサイトです!eClassを開くと、自分が履修している授業の一覧が出るので、自分が見たい授業のタブをクリックして、その先にあるその授業のページへ行きます。

授業履修に関して、履修する際に各授業のシラバスを見ることができないのでそこは注意してください。(シラバスは、授業の履修決定後、eClassに各授業のタブが現れたら、そこにシラバスが初めて載ることになります。) 授業の名前と授業に関する些細な説明があるのでそれを見たり、アルバータ大学のHPにある、各専攻で開講される授業一覧のカタログを見て決めます。学期が始まった後、その授業の初回に行ってみて自分のイメージと違った場合、履修取り消し&追加期間があるので、そこで変更することができます。

【住居】
私は、一番費用が安いHUB Mallの4人シェアルームを選びました。キッチン、バスルーム、リビングを共有しているだけで、自分個人の部屋(机、クローゼット、ベッド付き)はあります。家のドアはオートロックのため、家のドアのセキュリティに関しては安心できます。(鍵を忘れて外に出ると家に入れなくなるため、いつも鍵を持ち歩いていました。)HUB Mallは、1階にフードコートにあるようなレストランなどが立ち並んでおり、ご飯を買うことができます。カフェのテイクアウト版のお店もあるので、コーヒーやスイーツを購入することができます。図書館(Rutherford Library)にも直接つながっているため、図書館に行って勉強することができます。(図書館は大体23時まで開いています。) 

さらに、HUBはFaculty of ArtsとBusiness Schoolの授業が多く開講される講義棟にも直接つながっているため、Faculty of Artsに所属していた私の場合は冬の間、わざわざ外に出て講義棟に向かう必要がありませんでした。

最後に、LRTという地下鉄の駅もHUB Mallにつながっているので、地下鉄を利用してどこかへ行きたいときは便利です。ですが、冬の間は多くのホームレスの人々が駅のホームに滞在していたため、自分が不安に思うときはあまり地下鉄を利用しませんでした。

寮の部屋については、キッチン用品(フライパンやキッチン道具、お皿など)、電子レンジ、枕、ベッドシーツ、掛布団などがついていないので(マットレスはある)、現地到着後に揃える必要があります。(IKEA、Walmart、Southgate mallなどに行くとキッチン用品や枕、ベッドシーツなどが買えます。キッチン用品で中古でもよかったら、Whyte AvenueのGoodwill thrift shopというところに売っています。) 自分で日本から持っていきたいものがあれば、日本から持っていくのもありだと思います。(私はキッチン道具を日本から少し持っていきました。)

【食事】
後で述べますが、外食が高かったので食事は自炊がメインでした!自炊と、たまに大学で開催されるフリーフードイベントでご飯を入手していました。物価は、日本と同じくらいか1.1~1.2倍くらいのイメージでした。しかし、野菜や乳製品は高かったです。(卵は12個入りのパックで400円程度)お肉はFamily Sizeがよく売られていたので、それを購入し、小分けにして冷凍庫に保存するなどをしていました。代わりにパスタなどは安く、大容量で売られていたため、そんなに頻繁に食材を購入する必要はありませんでした。(トマト缶なども日本で売られているサイズより少し大きい。) そのため結局毎月の食費(友人との外食費は除く) は、2万~2万3000円程度に収まりました。

日本の食べ物が恋しくなったら、大学の近くの通りにH martというアジアンスーパーがあり、West Edmonton MallにT&Tという大きなアジアンスーパーがあります。ここで、大体の日本の調味料が揃うので、日本食が食べたくなっても自分で作れます! (日本から輸入している分高いですが、メンタルの安定のためと考えたら安いかもしれません!) ですので、日本食が猛烈に恋しいと思うことはありませんでした。私は一応、味の素は日本から持っていきました!お米は、普通のスーパーでも売っています。カリフォルニア米が日本のお米に一番近いです。鍋でもお米は炊けますが、私はルームメイトと割り勘して炊飯器を購入しました。

レストランの食事は、ランチでも最低2000円以上+チップ10%以上を払うため、高いです。(高いですが、その分量も日本で提供されるサイズの1.5倍、2倍はあります笑。安いレストランを探したいと思ったら、大学の近くのWhyte Avenueにあることが多いです。) ファストフードのお店も、結局セットを頼んだら1400~1500円していたため、あまり食べることはありませんでした。そのため、外食やデリバリーサービスでの購入は友人と一緒にいるときだけ、という風に自分でルールを決めていました。

【気候】
寒い都市として有名なエドモントンは、冬の間(11月~2月)は-15度~-25度くらいまで下がります。ですが、8月、9月は日本の夏のようにちゃんと暑いです。そのため、半袖も冬服と同じ枚数とまではいきませんが、持って行ってください!(9月の半ば以降になると、夕方から夜にかけて寒いですが。) パジャマも一応、半袖半ズボン、長袖、長ズボンとバリエーションよく持って行ってください。

冬は、しっかりと防寒用具(ジャケット、ブーツ、手袋、マフラー)を身に着けたら、意外と大丈夫なので、現地についたら冬用のジャケットと、ブーツを購入してください。私は、9月ごろにWest Edmonton Mallでウィンタージャケット(-25度対応)を購入しました。2万円くらいでした。シーズン前だと半額セールを行っていたりするので、ジャケットとブーツは早めに購入するといいと思います。ヒートテックと、極暖のレギンスは日本から持っていくのがお勧めです。服装に関しては、以上で問題ないと思うのですが、冬の間(特に12月~2月)は日没がとても早いです。また、どんよりとした曇りの日々が多いです。日光をあまり浴びることができないので、暗い気持ちになる日が多いかもしれません。スーパーにビタミンDのサプリメントが売られているので、そちらでビタミンを補うのもありだと思います。私は、日中になるべく外を歩いたり、寒いからといって家に閉じこもっているのではなく、友達と積極的に会ったりするようにして、気分が落ち込まないようにしていました。3月4月になってくると、ウィンタージャケットを着る必要がなく、晴れの日も多くなっていきました。

8か月の滞在を通してわかったことは、エドモントンの気候は日によって大変変わりやすいので、常に天気予報をチェックすること、温度調整できる服を持っていくことが大事です! (例えば3月4月で、半袖を着た次の日は、スウェットを着ないと寒いとか普通にあり得ます。)

【文化の違い】
お店での支払いは、現金がまだまだ主流の日本とは違って、基本的にクレジットカードやデビットカードで行っていました。そのため、渡航する際にカナダドル現金をあまり持っていかなくても全く問題ないです。

総合大学であるからかもしれませんが、とにかく大学・大学に所属する団体主催のイベントが山ほどあります。留学生向けに企画される旅行、新年度始めのイベント(ヘッドフォンディスコというみんながヘッドフォンをしてDJの音楽とともに踊るイベントやフリーフードなど)、夜中から朝まで変わったスポーツをチームメイトと楽しむイベント、絵画を描くイベント、映画を見るイベント、クリスマスパーティーなどなど…。数えきれないほどイベントが開催されていました!日本にいたら絶対経験できないようなイベントも多かったので、そこが文化の違いだなと感じました!

メンタルヘルスを向上させるサポートが盛んであることです。相談室はもちろんのこと、セラピードッグが大学の棟の一室に来るイベントだったり、期末試験中には図書館にミニメンタルヘルスケアセット(紅茶のティーパック、耳栓など)が置いてあったり、無料でスナックが配られたりしています。勉強が忙しくてメンタルヘルスが悪化する学生も多いそうなので、このように心の健康に気を遣うイベントなどが充実しているそうです。

医療システムの違いです。日本みたいに専門家(内科、耳鼻科、小児科など)の開業医のクリニックが町のそこら中にあるのではなく、どんな症状でも一応ウォークインクリニックというところに行って、自分の症状を診てもらうそうです。(そこから精密な検査が必要な場合はまたほかの所に行ったりするそうです。) アルバータ大学のキャンパス内に一応クリニックがあるため、体調が悪い場合には、そこで診察を受けることができます。(このクリニックでの診察代などはアルバータ大学の保険でカバーされていて、精密な検査が必要な場合は、ほかの場所へ行くことになります。) キャンパスの隣には、アルバータ大学病院があります。しかし、そこで救急で診察を受けようとする場合には、平均10時間ほど待ち時間があるそうです。(日本の病院の救急で診察してもらう場合には、そのような長い待ち時間は見かけないですね。) そのため、大きなケガをしないように気を付けてください。市販の薬は大学内の薬局で売られていたりするので入手に関してはあまり困りませんが、想定されるいろんな症状(風邪、腹痛など) の使い慣れた薬は日本から持っていくと安心だと思うので、持っていくことをお勧めします。

【現地での生活環境・街並み等】
アルバータ大学のNorth Campusはとても大きく、講義棟、寮、Student UnionがあるSUB、スポーツ施設などが集結しているため、普段の学生生活で不便に感じることはないです。特に、スポーツ施設関連が集結しているVVCは、キャンパス内で一番大きいジムや、ボルダリング、体育館などがあり、スポーツをしたいと思ったら気軽にスポーツをすることができます。(大学側が有料でボクシングやズンバ、ヨガのコースを提供していたり、学生が運営している運動クラブがたくさんあったりします)もし、アルバータ大学に留学すると決まったら、スポーツ用品(服、靴)だけは絶対に持っていってください!「自分、そんなに運動しないし、運動苦手…」という人でも、絶対に持って行ってください!(無料のヨガイベントなどが大学で開かれていて、友達と行く機会があるかもしれないからです?)

買い物や友達とご飯、遊びに行く際には、基本的にバスと電車(LRT)を駆使していました。公共交通機関のバスは、大学からArcカードという乗り放題の定期をもらいました。(もちろん学期の最初に支払います) スーパーもバスで10分くらいのところにあります。 (大学の近くだと、Safeway, No Frills。) たまに車を持っている友達と、公共交通機関だけではいけないような場所へ行ったりしていましたが、大体どの場所も公共交通機関と歩きで行けます。

大学から徒歩15~20分の所にWhyte Avenueという繁華街があり、そこにはいろんなレストランやクラブ、雑貨屋さん、路面店舗の服屋さんがあります。友達とどこかに行くとなった場合、大体Whyte Avenueに行くことになるかと思います。大学からダウンタウンも近いので、ダウンタウンにあるアイスリンクにスケートしに行ったり、美術館に行ったり、アルバータ州議事堂を見学することができたりします。エドモントンの街並みは、特段可愛い、美しいということはなく、至って普通です。でも、一応都市なので、皆さんがイメージするザ・田舎という感じではありません。正直フライト1時間で行けるバンクーバーのほうが観光地としては遥かに魅力的です。ですが、学生として生活するとなったら、エドモントンは暮らしやすい所だと思います!(生活費は断然、アルバータ州のほうが安いらしいです。)

移民の国で有名なので、アジア系の方もたくさんいますし、色んなバックグラウンドを持っている方もいらっしゃいます!そのため、典型的なアジア人差別などに遭遇することもなく、快適に過ごすことができました。

旅行先は、アルバータ州の中だと、有名な2大自然国立公園であるバンフ、ジャスパーを始め、カルガリーもあります。アルバータ州以外だとフライト1時間で行けるバンクーバーをはじめ、ナイアガラ滝があるトロント、カナダの首都であるオタワ、フランスの文化が残るケベックやモントリオールなどなどたくさんあります。アメリカも日本から行くよりカナダから行くほうが断然近いです。私は留学中にロサンゼルスにも行きました。このように観光地はたくさんあるので、カナダ留学中に旅行をしようと思ったら、ぜひ旅行用のお金も貯めておくことをお勧めします!(私は旅行をそんなにするつもりはありませんでしたが、結局カナダ国内、アメリカと色々旅をしてしまいました。笑)

【今後の課題】
留学先で履修した授業で学んだ知識や物事の考え方は、卒業研究に活かしていきたいと考えています。また、カナダで色んな人と関わりながら得た知見を、今後のキャリアプランに活かしていきたいと考えています。最後に、今後交換留学を経験してみたいという方(特にアルバータ大学)に、私が留学を通して手に入れた情報を共有するのも役目だと考えております。そのため、
アルバータ大学に交換留学・IVSPなどで行きたいと考えている方、私が留学中に得た情報など教えることができます!(英語の勉強の仕方、日本から持って行った持ち物のリストetc.) 相談したいことがありましたら、Facebookで「平田夏凜」と検索して、追加リクエストを送ってみてください!私ができる範囲で、なんでも相談に乗ります! ?また、在学中は浜松の国際交流ラウンジに顔を出しているので、浜松キャンパスの学生さんには直接お会いできるかもしれません。アルバータ大学ではなくとも交換留学について誰かに相談したいと思っている方でも問題ないです!気軽に相談してくれたら、私としてもとても嬉しいです?


写真1:ライトアップされた冬のアルバータ州議事堂

写真2:ジャスパーのある山の上で撮った写真。景色がとてもきれいでした。


写真3:キャンパスで綺麗だと言われている講義棟


写真4:新年度の初めに行われたヘッドフォンディスコイベントの様子

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