【授業】
私は主にドイツ語の授業を受講していました。クラスは生徒が20~30人程度で、先生が1人、ドイツ語で解説をしながら教科書や問題集、映像教材を用いて進められました。先生は曜日やレベルによって交代し、1クールの中で3人の先生からご指導いただきました。いずれの先生も親切で、授業後に質問をすると丁寧に答えてくださり、授業がないときにはメールでも対応していただけました。
入学時にはレベル分けのテストを受けました。最初はA1クラスに振り分けられましたが、そのクラスはオンラインのみだったため、大学に連絡しA2の対面授業に変更していただきました。私のドイツ語力は当初、簡単な自己紹介ができる程度でしたが、周囲の学生はすでに自国でA2を修了している人が多く、授業内容を難なく理解していました。
最初の授業を受けた際には、先生の話す内容をほとんど理解できず、不安を感じていました。当初はドイツ語を英語で教わるのだと思っていたため、すべてドイツ語で進められることに戸惑い、授業についていけませんでした。そのため、授業後は自宅に帰ってYouTubeでドイツ語の授業動画を視聴し、補習的に自主学習を行いました。授業内容よりも先生の説明のドイツ語が難しく、「なぜ自分以外の学生は理解できているのだろう」と不思議に思ったこともありました。
後になって気づいたのは、日本人学生は文法問題の解答など学習的な面が得意である一方、外国人学生は会話力に強みを持っているということです。私は会話をするときに「この文法は正しいのか」と細部を気にしていましたが、他の学生は間違いを恐れず積極的に話していました。言語習得にはこのようなトライアンドエラーの繰り返しが重要であると実感しました。私は3クールの授業を受講し、A2試験に合格、現在はB1を目指して学習を続けています。日本に帰国後も、ドイツで出会った友人と電話で会話したり、教材を使ったりして学習を継続しています。
【住居】
私は大学の学生寮に住んでいました。家賃は月額342ユーロ(約59,000円、光熱費・水道代込み)で、1人部屋と2人部屋があり、私は1人部屋を利用しました。部屋は約7畳のワンルームで、洗濯機以外の設備は自室に揃っており、生活する上で十分でした。家具やWi-Fiも備え付けで、最初からベッド、机、椅子、食器、棚がありました。トイレとバスルームは一体型で、浴槽はありませんでした。
寮は大学から徒歩5分ほどの距離にあり、6~8階建ての建物が10棟以上並ぶ大規模な施設で、多くの学生が暮らしていました。毎週木曜日には寮内にあるバーのような場所でクラブイベントが開かれ、友人と遊びに行き、新しい友人を作る機会にもなりました。
生活面では近くにスーパーやバス停があり、とても便利でした。特に私が利用していたのは「PENNY」というスーパーで、寮から階段を降りてすぐの場所にあり、多くの学生が日常的に利用していました。最寄り駅は中央駅で、徒歩15分ほどの距離にありました。中央駅からはアクセスが良く、日本人街で有名なデュッセルドルフまでは約20分、ケルン大聖堂のあるケルンまでは約40分で行くことができました。
【食事】
ドイツの食事は、日本の食文化と大きく異なっており、日常生活の中でその違いを強く感じていました。主食としてパンが非常に重要な位置を占めており、朝食や夕食には必ずといってよいほどパンが並びます。種類も豊富で、ライ麦パンや黒パンなど、日本ではあまり見かけないものを日常的に食べることができました。私は朝にスーパーに行き、焼きたてのパンをよく買っていました。また、じゃがいも料理やソーセージなどの肉料理が多く、食事のボリュームが全体的に大きいことも特徴です。私はドイツ料理の中でもcurry burstというソーセージにケチャップベースのカレーソースをかけた料理が好きでした。学食でも食べることが出来たため、頻繁に食べていました。ドイツのソーセージは種類が多くどれも自分の口に合いました。
最初の頃は油分や塩分が多めで、日本食の味付けに慣れていた私には少し重く感じられました。しかし、現地での生活が進むにつれて、パンの味わいの深さやソーセージの多様さを楽しめるようになり、食文化の違いを受け入れることができました。スーパーや週末のマーケットでは、新鮮な野菜や果物、乳製品が手に入りやすい他、現地ならではの食材を買うこともできます。
私はよくデュッセルドルフで日本食や韓国料理を購入していました。もし日本食が恋しくなればほとんど何でも食べることができます。しかし値段は高くラーメン一杯2000~3000円します。また日本のように水が無料ではないため飲み物にもお金がかかります。
【気候】
私が滞在していた地域は、日本と比較すると四季のあり方が大きく異なりました。特に冬は長く、気温が氷点下に下がる日もよくありました。また、日照時間が非常に短く、午後4時を過ぎるとすでに暗くなるため、生活のリズムを保つことが難しかったです。一方で夏になると、日照時間が非常に長く、夜10時頃まで明るさが残ります。このため、人々は仕事や学業を終えた後も屋外で過ごす時間が長く、カフェや公園で友人と語らう姿をよく見かけます。日本とは異なる昼と夜の感覚の違いに戸惑いながらも、季節ごとの特色を楽しむことができています。
ドイツの冬は日照時間が短く寒いため、鬱になる人が多いと聞いたことがあります。その一方で冬にはドイツの大イベントがあります。それはクリスマスマーケットです。街中に屋台が立ち並び、イルミネーションで彩られる冬のドイツの街は非常に美しく、寒さの厳しさを忘れさせてくれました。私は友人と冬休みに10日間ほどかけてドイツを一周し様々な都市のクリスマスマーケットを周りました。都市によって特色があり飽きずにどの町も楽しむことが出来ました。その中でも一番印象に残っているのはケルンのクリスマスマーケットです。有名なのは大聖堂前の広場に開かれるマーケットで、巨大なクリスマスツリーやライトアップがあります。
会場には多くの屋台が並び、グリューワイン(ホットワイン)や焼きソーセージ、シュトーレンなどの伝統的なクリスマスのお菓子や料理が販売されていました。グリューワインは毎年オリジナルデザインのマグカップで提供されるため、記念に持ち帰る方も多いです。私も二つ日本に持って帰ってきました。
【文化の違い】
ドイツでの生活を通じて、日常のさまざまな場面で文化の違いを体感していました。特に印象的なのは、公共交通機関の遅延です。ドイツ滞在中に利用した公共交通機関は、遅延や運休が非常に多いと感じました。特に長距離電車(DB:ドイチェ・バーン)では、数分程度の遅れは日常的であり、30分以上の大幅な遅延が発生することも珍しくありませんでした。さらに、急に運行が取りやめになり、予定していた電車が来ないために家に帰れなくなるといった状況も実際に何回も経験しました。その際には、次の電車が来るまで数時間待たされることもありました。
一方で、遅延や運休が発生した場合でも、駅の電光掲示板や専用アプリで逐一情報が更新されるため、利用者は比較的早く状況を把握することができます。しかし、代替手段がすぐに用意されるわけではないため、日本の公共交通機関の正確さや利便性と比べると、大きな違いを感じました。遅延や運休が起きるたびに日本に帰りたいと思っていました。
このように、ドイツの公共交通機関は利便性が高い一方で、時間的な不確実性を前提に利用する必要があり、現地の生活スタイルや考え方の違いを強く実感する経験となりました。
また、人々のコミュニケーションスタイルも日本と異なり、意見をはっきりと述べることが好まれる傾向があります。最初はその率直さに驚くこともありましたが、次第に自分の意見を積極的に伝えることの重要性を学び、自身の成長にもつながっています。
さらに、公共の場でのマナーやプライバシーへの配慮も特徴的です。たとえば、バスや電車では静かに過ごす人が多く、他人との距離感を大切にする文化を感じました。しかし、サッカーの試合がある日は電車の中でサポーターがビールを飲みながら応援歌を歌って指揮を高めているということもありました。大学内や地域のイベントではフレンドリーに話しかけられることも多く、場面ごとの人との関わり方の違いに気づかされました。こうした文化の多様性に触れることで、自国の文化を客観的に見直す機会にもなっています。
【現地での生活環境・街並み等】
私が住んでいたヴッパタールという街は、歴史的な建造物と近代的な施設が調和しており、日々の生活の中でその魅力を感じていました。石畳の道や荘厳な教会、古い市庁舎など、ヨーロッパならではの街並みが日常の風景として存在していることはとても新鮮でした。その一方で、ショッピングセンターや近代的な公共施設も整備されており、利便性の高さも兼ね備えています。
公共交通機関は非常に発達しており、容易に隣町や他都市へ移動することが可能です。また、生活環境も整っており、大学の寮や学生向けのアパートでは、毎週パーティーや様々なイベントが開かれ、留学生同士の交流の場が週末には地域のたくさんありました。こうした街の雰囲気の中で生活することで、ドイツの社会や人々の生活習慣をより深く理解できるようになりました。
【今後の課題】
今回の留学を通して、語学力を高めるためには授業だけでなく、自ら積極的に会話に挑戦し、間違いを恐れずに使ってみる姿勢が重要であることを学びました。この経験を将来につなげるため、帰国後も継続して英語とドイツ語の学習を続けています。具体的には、留学中に知り合った友人とオンラインで会話をしたり、教材を用いて文法や語彙を復習したりしています。
今後の課題としては、まず会話力をさらに伸ばすことが挙げられます。私はこれまで正確さを意識しすぎて発話が遅くなる傾向がありましたが、今後は積極的に話すことで自然なコミュニケーション能力を高めたいと考えています。将来的にもう一度留学をすることも視野に入れており、その際には今回の経験を生かし、より主体的に授業や日常生活に取り組めるよう準備を進めていきたいです。
また、これから留学を考えている後輩の手助けをすることも、自分の課題の一つだと考えています。自分が留学に行く前にドイツ留学についての情報が少なく不安だったため、自分の体験を伝えることで後輩の不安を軽減し、より良い留学生活を送れるようサポートしていきたいです。あわせて、ボランティア活動などを通じて国際交流や地域社会に貢献しながら、自分自身の成長につなげていきたいと考えています。
そして何より、この留学を通して強く感じたことは、留学の本当の価値は単に言語を学ぶことだけではなく、自ら外国で生活し、さまざまな経験を積むことで人として成長していくことにあるという点です。今後はこの学びを糧にしながら、語学力の向上とともに、多様な価値観を理解できる柔軟な人間として成長していきたいと考えています。また、日々の生活や学習において、支えてくれた両親への感謝の気持ちが強くなり、留学に行かせてもらえたことへのありがたさを深く感じています。
この経験は、語学や学びだけでなく、人としての成長にもつながったと考えています。今後も、親や周囲の支えに感謝しながら、自分の力で挑戦し続け、留学で得た学びを生かしていきたいと思います。
反省点は、留学中に韓国人の友人と一緒に過ごす時間が多かったことです。寮にいるときも頻繁に電話をしていたため、プライベートではドイツ語よりも韓国語を話す機会の方が多くなってしまいました。その結果、せっかくのドイツ語を使う環境を活かせなかったと感じています。今後はこの経験を踏まえ、できるだけ現地の言語を使う機会を増やし、学んでいる言語にしっかりと浸るように心がけたいと思います。
この報告を通して、これから留学を考えている人が少しでも「自分も挑戦してみたい」と思ってもらえたら大変うれしく思います。留学は語学を学ぶだけでなく、生活全体を通して多くのことを学べる貴重な機会であり、勇気を出して一歩踏み出す価値がある経験だと実感しました。