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交換留学

マラヤ大学(マレーシア)

留学期間 : 2023年9月~2024年7月                                   学 部 等 :理学部創造理学コース

【授業】
前期は自分の専門である化学の授業と英語の授業2つとジェンダーの授業をとりましたが、内容はそんなに難しくなく、ただ聞いているだけという感じで少し退屈に感じてしまったので、後期は社会学部の東南アジアの社会運動、アジアのエンポリアム、気候変動、比較地域主義の4つの授業を履修しました。後期の授業はどれも私が面白そうだなと感じた興味本位でとったものなので、基礎知識もなく知らない分野の内容を全て英語で受けるのは私にとってチャレンジでした。実際の授業は大体が講義2h+チュートリアル1hで構成されていて、授業によって2単位と3単位のものがありました。チュートリアルでは講義の内容に関するプレゼンテーションやディスカッションなどが中心です。静岡大学では講義の授業がほとんどで、普段の授業でグループディスカッションやプレゼンテーションをする機会はなかなかなかったので、初めは少し戸惑いましたが、他の生徒が積極的に発言しており、私も自分の意見をもって授業に臨んで発言できるように心がけました。テストはテスト期間にExamセンターで4クラス分くらいの人数が1度に受けるため、受験のような緊張感がありました。テスト内容は先生にもよりますが、授業範囲から何かを説明する問題が多く、それが4~6問ほどあり長さは2時間でした。私の場合は過去問があったので、それを参考に重要だと思われる部分を理解し、それを自分の英語で説明できるようにすることを目指して勉強していました。内容は理解していて日本語ならわかるのに、英語の表現が思い出せないということがよくありそれが大きな課題でした。とても難しく聞こえるかもしれませんが、先生も留学生であることは分かっているのでそこまで厳しいことは言われないし、同じ授業の日本人や他の国の友達にも頼りながらやれば、最終的にはどうにかなりました。私は前期は少し怖がって自分にとって簡単な授業しか取れなかったので、留学後の今はもうすこし初めから挑戦してみればよかったなあと少し後悔しています。

【住居】
私は初めの1か月ちょっとの期間はキャンパス内のKolej10 (通称KK10)、その後引越しをしてキャンパスからバスで10分ほどのInternational House(IH)にずっと住んでいました。
KK10はベッドと机と棚が2人分ある2人部屋で、シャワー兼トイレはフロアで共用、キッチンは4階建ての棟に1つしかありませんでした。私は中国人の女の子と同じ部屋で、あまりお互い干渉はせずにたまに話していました。エアコンはなかったですがファンがついていて意外と過ごしやすかったです。キャンパス内の森の近くにあったので、よくサルがいました。また、たくさんの猫がいて毎日癒されていました。ロケーションが悪く、外に買い物や食事に行くのが不便だったのが大きかったです。
その後ちょうど空きがありIHに引っ越すことにしました。IHは1ユニット4人で、2人ずつの寝室と、4人で使うリビング、キッチン、トイレ、シャワーがありました。ここはエアコンも完備されていて、徒歩5分の所に小さなモールもあり、私にとってはとても住みやすかったです。私は自分含めて日本人2人と韓国人2人で住んでいました。私ももう一人の日本人の子も料理が好きで、時間があるときは大体自炊をしてみんなで食べていました。家賃は1か月45RM(約15000円)と光熱費で2万かからないくらいでした。

      

【食事】
 料理をするのがもともと好きだったので、基本は自炊していました。日本の調味料も基本的には売っていたので特に困りませんでした。12月に家族が来てくれた時にレトルトや粉末だしなどを持ってきてもらったのでそれは重宝していました。外食するときは積極的にローカルの料理に挑戦しました。ナシレマ、ラクサ、バクテー、サテー、チキンライスあたりはよく食べました。ローカルのお店なら一食150~250円くらいでお腹いっぱいになるのでコスパはとても良いですが、スパイシーなものや油っぽいものが多いので、毎日食べるのは無理そうでした。大学内の社会学部のカフェテリアにあるチキンライスがとても好きで、週一回は必ず食べていました。

                      

【気候】
マレーシアは1年中最高気温30℃を超える熱帯の国で、乾季(3~9月)と雨季(10~2月)がありますが、ほぼ毎日夕方にスコールがありました。日本ではバケツをひっくり返したような雨と言われるくらいの激しい雨と、週に2,3度は光と音が同時に落ちるような雷もありました。昼間は直射日光が強く暑くて、夕方からはスコールという気候なので、私はずっと晴雨兼用の折り畳み傘を持ち歩いていました。空が暗くなってきたらほぼ確実に天気が悪くなるので外に出るのを諦めることもありました。もちろん暑い国ですが、日本のようにジメジメ感はなく、朝晩はとても涼しいので慣れたら過ごしやすくはありました。日本帰ってきたときにちょうど静岡が今年全国初の40℃などと言われていて、日本の方が暑いのが信じられませんでした。

【文化の違い】
 マレーシアは中国やインドなどから多くの移民がきた歴史があり、マレー系、中華系、インド系の3つの民族と少数民族が混在しています。宗教も半数がイスラム教ですが、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教の人も多くいます。文化や生活はそれら民族や宗教に影響されていたり、関連していたりしていて、「Salad bowl」と呼ばれる多文化・多民族の国です。Melting potと呼ばれるアメリカとは違い、マレーシアは異なる文化や民族が混ざっているがそれぞれの文化やアイデンティティは独立して存在しています。そのため街中にはモスクも教会も寺もたくさんあってさまざまなことを体験し学ぶことが出来ました。例えばイスラム教が中心なので豚とアルコールは高かったり、ラマダンの期間はみんな空腹と戦っているので空気がピリピリしていたり、イスラム教において犬は穢れなので犬は見かけることが珍しいけれど野良猫はいたるところにいて可愛がられていたりしています。ほぼ1年間いたので、はじめて海外でクリスマスや年越し、旧正月、ラマダンなどイベントも経験して、実際に自分の肌で感じることで、日本では学べないこと、知れないことを得られたと思います。

     

      

【現地での生活環境・街並み等】
 日本にいると平和ボケすると言われますが、マレーシアでも平和ボケが進む気がします。海外は危ないと言われますが、マレーシアはとても治安がよくて、場所にもよりますが一人でも夜歩けるくらいでした。とはいってももちろん日本と同じように荷物を置きっぱなしにしたら盗まれるので、自分の荷物の管理は気を付けていました。カバンや携帯をひったくられるとかいう話は聞いたことがないです。
 マレーシアの首都クアラルンプールのすぐ隣に住んでいて、電車一本で街の中心に出られたのでとても便利でした。中心地は発展途上国と思えないほど発展していて、買い物や食事には困りませんでした。Semester breakのときはマレーシアにある島に遊びに行きました。ペナン島、レダン島、そしてボルネオ島にあるコタキナバルはとてもおすすめです。

【今後の課題】
 私は3年の9月から留学にいき、翌年7月に帰国しましたが、理系なので必修科目の兼ね合いにより進級は不可能で、留学後3年後期から静岡大学に通い5年間大学に在籍する形で卒業する予定です。その後は院に進学し、研究職に就職したいと考えています。私のような理系の人は、勉強や研究が忙しく長期で留学する人は珍しいといわれますが、私は卒業が1年延びても留学してよかったと思っています。一度海外に出てそこでの生活を経験したことで、自分の中にあった固定概念や偏見のような文化や価値観がなくなり、新しい自分が少しずつ見えてきた気がします。そんな現状の私の今後の課題は、自分の専門の勉強はもちろん、これからも英語の勉強も続け積極的に使っていくこと、そしてこれからも新しいこと知らないことにチャレンジしていくことです。

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