留学期間 :2023年9月〜2024年2月
学 部 等 :人文社会科学部言語文化学科
【授業】
留学中に行った活動は以下の通りです。
①英語で開講される授業を履修し、単位を取得する。
・合計で履修していたのは、以下の授業で合計24単位です。
・The Historical Development of English(8単位)
・English for ICT Studies(6単位)
・Edupreneurship(3単位)
・International Teaching Practice(7単位)
単位数だけ見ると負担が多いように見えますが、実際には授業内容や課題に大きく依存します。履修登録の際に自分の興味や関心と照らし合わせ、シラバスを熟読する必要があります。
②実践活動(マサリク大学哲学部日本研究科において日本語TAとして活動)
・週に3コマ(各90分)、日本研究科の授業にアシスタントとして参加
・日本語のオノマトペを1回あたり5個程度英語で紹介
・日本語の会話の授業におけるグループワーク(現地学生9人程度)のファシリテーター役
・日本語能力検定(JLPT)運営補助スタッフ
(実践活動の様子)
【住居】
私はKomárov Sladkéhoという寮に住んでいました。寮費は月額5,500kč(約35,000円)ほどです。日本人留学生の多くは、Vinařskáという寮に住んでいました。こちらは月額7500kč(約48,000円)と、マサリク大学が提供する寮の中では一番高いですが、その分、建物が新しくてきれいです。どの寮に住むことになるかは、留学出発の約1ヶ月前にならないとわかりません。希望を出すことはできるのですが、寮の予約は早い者勝ちで応募開始時には予約が殺到するため、注意が必要です。
私が住んでいた寮から、哲学部のキャンパスまでは12番のトラムで20分程度、教育学部のキャンパスまでは、12番と2番のトラムを乗り継いで25分程度です。ブルノでは公共交通機関(バス、トラム、トローリバス)が乗り放題のチケットを買っていました。これは学割価格で月額275kč(約1800円)と、日本と比べると破格です。そのため、どの寮に住むことになったとしても、それほど困ることはないと思います。
【食事】
寮のキッチンが共用だったこともあり、私はほとんど自炊することはありませんでした。その分、レストランのランチやテイクアウトを活用していました。私は食べることが好きなので、地元のレストランに毎日のように足を運んでおり、店員さんに顔を覚えてもらえもらえたお店もいくつかありました。ブルノでは、平日のランチであれば1000円ほどで楽しむことができます。現地でお気に入りのレストランを見つけるというのも、留学の楽しみ方の一つかもしれません。
留学先で知り合った日本人留学生の多くは自炊をしていました。自炊をする場合、調理道具の多くはブルノ郊外にあるIKEAで購入することができます。オリエンテーション期間中に行われるセカンドハンドショップで調理道具を手に入れたという人もいたようです。
私は、2キロのジャガイモをスーパーにて50Kč(約300円)ほどで購入し、塩と共に茹で、バターで味付けをし、食べていました。知り合った日本人留学生の多くが、「マイレシピ」を持っていたので、知り合った友人と自炊情報を共有してみると新たな発見があるでしょう。
(チェコ料理屋さんのランチメニュー)
余談ですが、チェコは食事だけではなく、お菓子も美味しいです。スーパーに行けばたくさんのお菓子が売られています。ぜひ、お気に入りのお菓子を見つけてみてください。
【気候】
私が留学していた年は暖冬だったようですが、それでもブルノは静岡と比べると寒いです。一番寒い時期だと最低気温がマイナス10度を下回る日もありました。しかし、寮やキャンパスをはじめとする大学の施設やお店では暖房がかなり効いているため、寒さに困るということはありませんでした。
私はもともと現地で冬物のコートと靴を購入する予定だったので、日本からダウンジャケットを1枚だけ持って行きました。私は11月にブラックフライデーのセールが行われていたので、それを利用しました。コートとジャケットをそれぞれ1000Kč(約6,500円)で買ったのですが、デザインや品質もよく、日本に帰ってからも好んで着ています。サイズに関しても、幅広く提供さ入れているため、心配する必要はありません。靴に関して、特に女性などちょうどいいサイズが見つからない場合、子ども用のものを探してみると良いと思います。実際に、仲良くしていた女性の日本人留学生の友人は、子ども用のブーツを購入していました。
【文化の違い】
チェコで半年間生活してみて、日本との違いをたくさん発見しました。以下箇条書きで、私が見つけた日本の違いを一部挙げてみます。同じヨーロッパの中でも、国によって文化や雰囲気が全く異なるため、留学中にできるだけたくさんの場所に足を運んで、文化の違いを見つけてみてください。
・駅に改札がない。
・トラムやバスに犬と一緒に乗ることができる。
・必ず店員さんと挨拶をする。(入店時にはDobrý dén、退店時にはNa shledanouと言います。)
・喫煙率が高い。
・ビールが安いし、種類がたくさんある。
・町中にゴミ箱が設置されている。
・トイレが有料。
・タトゥーをしている人が多い。
・フォークの持ち方が違う。
・クリスマスとお正月の過ごし方。(どのように過ごすのか、チェコ人に聞いてみてください!)
【現地での生活環境・街並み等】
チェコと聞いて皆さんはどのような印象を抱きますか?「街が可愛い」「歴史的な建物が多い」などという印象を持たれているかもしれません。私は留学を通してチェコという国が大好きになりました。料理が美味しかったり、チェコの人々が親切であったりすることは理由の一つなのですが、何よりも街並みがきれいです。
私はチェコ国内では、ブルノの他にプラハ、オストラヴァ、オロモウツ、テルチ、チェシンという街に行きました。チェコ国内でも、街ごとに歴史的な雰囲気であったり、産業的な雰囲気であったりと、それぞれの街ごとに違いが見られます。
ヨーロッパは移動手段が充実していて、近隣諸国へもバスや飛行機で容易にアクセスすることができます。チェコ国内に関して言えば、Flix BusやRegio Jetなどを利用することで、片道1000円ほどあれば、大抵の場所に行くことができます。チェコの街は規模が小さいものが多いですが、その分のどかな景色が広がっていて、私は好きです。チェコ国内を旅行する機会というのは、交換留学でチェコに滞在しているからこそできることだと思います。旅行に行く前に下調べをしたり現地で観光案内所に行って話を聞いてみたりすることで、チェコの歴史や風土に触れることができます。ぜひ、実際に足を運んでお気に入りの街を見つけてみてください。
マサリク大学キャンパス(Faculty of Arts)
聖ペテロパウロ大聖堂 プラハにあるボタニクスの店舗
カレル橋から見たプラハ城 スーパーの様子
【今後の課題】
私は留学の経験を通して、英語の学習に対するモチベーションを高めることができました。留学から帰国後は、留学中に伸ばすことができた英語力をさらに伸ばすことができるように、取り組みたいと思います。具体的には、語彙や表現の強化です。友人とコミュニケーションを取る中で、無意識のうちに自分がよく使っている語彙や言い回しがあるのだということに気がつきました。日本に帰ってきて、ある程度まとまった時間が取れる今だからこそ、英語に触れる機会を設け、表現の引き出しの幅を広げることができるよう努めて行きたいと考えています。
【マサリク大学への留学を考えている方へ】
チェコは物価もそれほど高くなく、治安も良い国です。とくに治安に関しては、日本の繁華街と比べるとチェコの方がはるかに安全と言えると思います。私は留学期間中にチェコ国内で危険な経験をしたことはありませんでしたし、友人からもそのような話を聞いたこともありません。海外に留学を考える場合、費用や治安といった問題は懸念事項として大きな割合を占めると思いますが、チェコに関して言えば、それらについてはさほど心配しなくても良いでしょう。
また、多くのチェコ人学生は、英語を流暢に話します。そのため、マサリク大学は「留学で英語力を磨きたい!」などという人にとっても、おすすめの留学先です。(もちろん、チェコ語のあいさつや基本的な表現、数字の言い方などが分かれば、より生活がしやすいですし、現地の人も喜んでくれます。また、チェコ語の授業を履修することも可能です。)英語力を磨くために留学をするということを考えると、多くのイギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの英語圏を想像するかもしれません。確かに、英語圏の国と比べると英語に触れる機会は少なくなるかもしれませんが、その代わりに、非英語圏の外国だからこそできる経験がたくさんあると思います。視点を変えて、非英語圏で留学をするという選択肢を考えてはいかがでしょうか。
教育学部の友人と一緒に