留学期間 :2023年10月∼2024年7月
学 部 等 :人文社会科学部経済学科
【授業】
私は最初の学期では、まず現地で生活するうえで現地語の習得が第一であると考え、ドイツ語の集中コースに参加しました。授業は平日毎日朝8:00∼12:15で行われ、間に30分の休みを設けるという授業でした。受講者は学位を自身の国で取得しドイツで修士を学びたいという、主に国外からの留学生で構成されていました。人数は20人ほどで構成されており、講師は3人で授業が行われていました。授業では主に文法や教科書に沿った学習が進められ、毎日宿題も課されました。授業が午前中で終了するため、宿題は主に午後に行っていました。毎日の授業のおかげで、学期の終わりには日常生活で困ることはなくなりました。
2学期目では、自分の語学力の向上と自身の専門とする学習に向け、英語・スペイン語・経済学の授業をそれぞれ受講しました。それぞれの授業は週に一度、2時間∼3時間にかけて行われました。これらの授業は留学生とではなく、主に現地の学生と共に受講しました。現地の学生と共に受講したため、時々ドイツ語で説明されることがありましたが、その際は現地の学生が英語に訳して教えてくれたおかげで、問題なく受講することが出来ました。
【住居】
住居は大学の寮の二人部屋の一室を、同じ静岡大学の学生とシェアして生活しました。2人部屋では、それぞれ1つずつの寝室に加え、キッチン、バスルームは共同で使うことになっていました。シェア生活をする相手は現地に行った後に知ることになっていました。引っ越し前は同居人について心配していましたが、他の留学生も含め同居人はできる限り同じ国・地域からの出身の学生でまとめられていました。毎月の家賃の支払いは銀行口座からの引き落としか、毎月の振り込みで行うことになっていました。また、家賃には水道・ガス・電気・通信費は含まれていました。
【食事】
食事は主に自炊か学生食堂でとっていました。外食は値段がとても高いため、朝食と夕食はスーパーマーケットで購入した食材で自炊をし、昼食は授業後にクラスメイトと学生食堂でとっていました。食堂には日替わりのメニューがあり、学生証を見せることで割引で食べることが出来ました。スーパーマーケットでは円安の影響を除けば特に物価の高さを感じることはなく、野菜や果物は比較的安価で手に入れることが出来ました。
【気候】
気候はドイツに生活するうえで特にマイナスな印象となるものでした。冬の期間、寒い時期が長く空も常に曇りがかっていました。現地に行く前から天気が悪いことは情報として知っていましたが、実際に住んでみるとどれほど天気が精神的に影響を与えるかを実感しました。特に何も悪いことは起こっていないにもかかわらず、むしろ友達も沢山作ることが出来て充実していたが、それでも気分が落ち込む日がありました。帰国間近になり7月になると日によっては日差しが出て過ごしやすい日が出てきたものの、まだ肌寒い日もあるなど、気候に順応することにとても苦労しました。
【文化の違い】
細かい文化の違いはたくさんありましたが、10か月生活する中で特に身をもって感じたことは自己主張とコミュニケーションの違いについてです。自己主張が強い、ということは必ずしも自分の言いたいことを好き勝手に言うということではありません。他国からの移民が多いドイツという国柄や、世界中からの留学生と毎日暮らしていたという環境では、それぞれの文化での当たり前、常識が必ずしも相手に当てはまるというわけではありません。そうした中で自分の言いたいことをなるべく正確に伝えるためには、相手に察してもらう、空気を読んでもらうことを期待せずに物事をはっきりと主張する必要がありました。その環境の中で生活していく中で、発言をする前に頭の中で自分の言いたいことがはっきりと作れるようになりました。
ただし自己主張ができるだけでは相手との良いコミュニケーションが取れるというわけではありません。自分の意見を持ち主張する分、相手の意見・主張にもしっかりと耳を傾け、理解しようとする姿勢が必要であることも学びました。これからは、よりよいコミュニケーションをとれるように、相手の意見・主張をしっかりとまずは聞き、理解しようとする能力をより高めていきたいです。
【現地での生活環境・街並み等】
私が滞在していたブッパタール大学は、ドイツの西部に位置する、大きすぎず、小さすぎないとても住みやすい環境でした。電車で20分で日本人の多く住むデュッセルドルフ、30分で世界遺産のあるケルンへ行くことが出来るため、特に不便もなく住むことが出来ました。デュッセルドルフには日本人やアジア人が多く住んでいることもあり、アジアンスーパーマーケットが多くあり、日本料理・その他アジア料理の調味料が必要なときはすぐに買うことが出来ました。
町並みはほとんどの町で住宅街と旧市街という形で分かれており、旧市街には古い建造物や教会等が立ち並んでいるため、気軽にヨーロッパの雰囲気を感じることが出来、気分転換の散歩には恰好の街並みでした。
【今後の課題】
今後の課題としては、まずは文化の違いの項で述べたコミュニケーションの取り方が挙げられます。自分の意見をしっかり持ち、相手にわかるように主張する能力は、今回の留学を通して学び、伸ばすことが出来ました。そのうえで今後は相手の意見・主張を聞き、理解しようとする能力を伸ばすことで、違う文化・常識を持った人々ともより良いコミュニケーションを築いていきたいと考えています。
さらに今回の留学で学んだことは、留学をするうえで最も重要なことはしっかりと自分の目標・目的を定めるということです。留学をするうえで目的を定めることは、自身の留学後の成長につながることはもちろん、留学中のうまくいかない時期に自分の心を支えるものになります。次回留学する際も、留学する前にしっかりと目標と目的を定めてから渡航したいと考えています。