留学期間 :2023年8月~2024年7月
学 部 等 :工学部機械工学科
【授業】
授業スタイルは、日本の大学、特に静岡大学の授業とは大きく異なっていました。
まず、授業科目は少ないながらも、講義、演習、個別指導時間など、実践的な形式で学べるカリキュラムが特徴的でした。それによって最終的なスケジュールは日本で授業をとっていた時のような忙しさになりました。すべての授業でグループワークが課されており、多様なバックグラウンドを持つ学生たちとコミュニケーションを取りながら、実践的なスキルを身につけることができました。また、日本ではあまり見られない点として、講師が学生一人ひとりに寄り添い、親身になって指導してくれる環境も印象的でした。授業時間外でも個別に質問を受け付けてくれるなど、学生にとって非常に学習しやすい環境だと感じました。
【住居】
留学中の住居は、多くの場合シェアハウスが主流です。家賃は物件や部屋の広さによって異なり、私が案内された物件では3万円台からあり、高いものでは6万円ほどでした。
ルームメイトとの共同生活は、異文化理解を深める貴重な機会となる一方、生活習慣の違いに戸惑うこともあると思います。例えば、衛生観念や夜遅くまでの過ごし方など、日本ではあまり気にならない点が、海外では、共同生活では大きな問題になることもあると感じました。私自身は幸運にもルームメイト全員と生活リズムが合っていましたが、中には生活時間の違いからストレスを感じ、引っ越しをする人もいました。
事前にシェアハウスのルールやルームメイトの情報収集はもちろん、契約時に部屋の変更が別途料金なしで可能かどうかを確認しておくことも大切です。快適な留学生活を送るために、事前の準備は念入りに!
【食事】
食事は、現地の料理を中心に、様々な国の料理を楽しむことができました。現地の料理は、フライドチキンやココナッツオイルを使ったご飯など、脂っこくてカロリー高めなものが多く、慣れるまでは少し時間がかかりました。
もちろん、中華料理やインド料理、韓国料理、日本料理のレストランも多く、食生活に困ることはありません。ただ、日本食は他の国の料理と比べて少し値段が高めで、日本と同じくらいか、場合によっては少し高いくらいに設定されていることもありました。その中でも、中華系の料理はリーズナブルで、日本人の口にも合うものがたくさんありました。色々なお店を探検してみるのも、留学生活の楽しみの一つになると感じました。
マレーシアは多文化社会なので、食文化も実に多様で、日本では味わえないような、いろいろな食文化を楽しむことができると思います。
【気候】
気候は、日本の夏のように暑くジメジメしていますが、最大の違いは短時間で降る局所的なスコールです。留学前は「スコール=強い雨」という程度の認識でしたが、実際に体験してみると、想像をはるかに超えるものでした。局地的に発生する災害級の豪雨が、2時間近く降って急に止まるようなものでした。
8月と9月は雨季、2月と3月は乾季と言われていますが、私が滞在した乾季の間も、スコールはよく発生しました。乾季という言葉に油断せず、雨具は常に携帯しておくことをおすすめします。
また、天気は変わりやすく、急な雨に見舞われることも日常茶飯事なので、片頭痛持ちの方は、天候の変化に注意が必要です。
【文化の違い】
現地のサークルに1年間所属し、様々なバックグラウンドを持つ学生たちと交流する中で、特に印象的だったのは、宗教観の違いです。私が通っていた大学には中華系の学生が多くいましたが、マレーシアはイスラム教が国教であるため、イスラム教徒の友人たちもいました。
一緒に過ごす中で、外食の際にはハラルフードを選んだり、お祈りの時間を尊重したりと、互いに配慮しながら生活しました。宗教による文化の違いを肌で感じながらも、互いに尊重し合い、貴重な経験を積むことができたと感じています。
【現地での生活環境・街並み等】
マレーシアは車社会のため、移動手段の確保が重要になります。街の中心部であれば電車が利用できますが、その他の地域では電車は必ずしも便利とは言えません。
そう行った地下鉄が利用できないような場合にはタクシー(Grab)を使いました。
タクシーは日本に比べて料金が安く、急いでいる時などに利用してもそれほど大きな出費にはなりません。しかし、頻繁に利用すると費用がかさんでしまうので、予算と時間に余裕がある場合は、他の交通手段も検討しました。
下に私が実際に利用していた交通手段を紹介します。
最寄りのショッピングモールへ: 学校から出ているバス (50円程度)
街中へ: 最寄りの駅までタクシー(Grab)または学校から出ているバス → 電車(LRT)
タクシー(Grab)は片道500円ほどかかるため、急いでいない場合はバスを利用していました(50円程度)。最寄りの駅から街の中心部までは電車で約1時間、料金は片道200円ほどでした。
歩道が整備されていない、自転車の利用者が少ないなど、日本とは異なる交通事情に戸惑うこともあるかもしれません。事前に情報を収集し、自分に合った移動手段を見つけておくことが時間もお金も節約するのに役立つと思いました。
【今後の課題】
留学前に掲げた目標は、大きく分けて二つありました。一つ目は、情報科学に触れ、成果物を作り出すこと。そして二つ目は、現地のサークルに所属し、日本での経験を活かしてイベントの企画・運営を行うことでした。
成果物については、目標としていたレベルには届かなかったものの、実際に一つ作り上げることができました。この経験を通して、自身の技術力の向上と、より質の高いモデルの開発が今後の課題として明確になりました。
サークル活動を通して、イベントの企画・運営に積極的に携われたことは貴重な経験になりました。当初は、言葉の壁に不安を感じることがありましたが、積極的にコミュニケーションを取ることで、現地学生や他の留学生と協力しながら活動することができました。
一方で、語学力の向上という点では、少し課題が残りました。当初は英語に加えて中国語にも挑戦し、簡単な日常会話を目標としていましたが、十分な時間を確保することができませんでした。特に後半は、サークル活動が活発化したことに加え、夏のインターンに向けた就職活動も並行して行っていたため、語学学習に集中することが難しくなってしまいました。
しかしながら約1年間の交換留学で、現地のサークルで活発的に活動したことで、英語という面で大きな成長を感じることができ、自分の納得するレベルまでは成長することができました。
最後に、これから留学する皆さんへ。
忙しい日々の中でも、現地の学生や他の留学生と積極的に交流し、サークル活動などに挑戦してみてください。そこでの経験を通して得られる成長は、計り知れないものがあります。
この留学体験記が、皆さんの留学準備の一助となり、実り多い留学生活を送るための一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。