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留学プログラム

交換留学

ソフィア大学(ブルガリア)

  • 留学期間:2019/09~2020/03
  • 学部等:教育学部

【留学の成果】
■タイトル:Спомени на България (ブルガリアの思い出)
 私は、2019年の9月末から2020年3月半ばまで、ブルガリアにあるソフィア大学に留学していました。当初の予定では7月中旬までの約10か月間いる予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的流行のため、半年に短縮して帰国することになりました。この報告書ではその半年間の留学生活についてお話したいと思います。
 まず、私が行ったブルガリアはヨーロッパの東に位置し、北にはルーマニア、南にはギリシャ、西にはセルビアや北マケドニア、東には黒海が面している内陸国です。使用されている言語はブルガリア語で、文字はロシア語などにも使用されているキリル文字です。私が住んでいたソフィアは首都で、中心に行けば英語はほとんど通じますが、郊外の個人店やお年寄りなどはブルガリア語しか話せないこともあるので、時折苦労することもありました。ソフィアは盆地になっているので、昼と夜の寒暖差が激しく、夏は暑く冬は寒いという特徴があります。実際真冬はマイナス10度ほどだったと記憶しています。日本との時差は、サマータイム時は6時間で、サマータイムが終了すると7時間になります。EUに加盟しているものの、シェンゲン協定には入っておらず、またユーロを使わず自国通貨であるレフ(複:レヴァ)を使用しており、レートはユーロと固定相場で、1レフ約60円前後となっています。そのため物価、特に食料品が安く生活しやすかったです。ソフィア中心部の街並みは、大都市という印象はなく、首都にしては比較的落ち着いた雰囲気でした。昔は社会主義・共産主義だったため、西欧諸国に比べ建造物はあまり派手ではなかったです。また、オスマン帝国(トルコ)の支配下にあったためか、郊外に少しだけアジアのような雰囲気も漂っていた印象があり、個人的には落ち着きました。ブルガリア人には美男美女が多く、優しい性格の人が多かったと思います。また日本や韓国などのアジア文化に興味関心がある人も予想以上にいたので驚きました。
 次に、ソフィア大学で学んだことやそこでの出会いなどをお話したいと思います。ソフィア大学は130年以上続く歴史ある大学です。私は教育学部に所属し、授業も教育の授業を中心に、さまざまな授業をとっていました。留学生は所属している学部に関係なく、留学生向けの授業ならどんな授業でも受講可能だったので、フレキシブルにいろいろ取りました。中でも印象に残っているのがブルガリア語の授業です。その授業の先生は、方針上授業中は原則ブルガリア語のみで、母語や英語の使用は禁止しており、また教える際も全部ブルガリア語なので正直大変でした。でも、その授業に北朝鮮出身の女の子がいて、その子がブルガリア語を話せるので通訳してもらいながら授業を受けていました。他にもドイツ人やスペイン人の留学生もいて、皆で協力しながら勉強しました。確かに大変だったけど、その授業のおかげでブルガリア語の学習に対する意欲が増して、日本人留学生の中ではまあまあ話せるようになったと思っています。大学の授業に関して、内容面ではないのですが驚いたことがありました。それは、時間にルーズだったことです。ある授業では、開始時間になっても全員揃わず、15分経ってからようやく全員揃ってなんとなく開始するという感じでした。先生は起こるわけでもなくそのまま授業が進行していくので最初は驚きました。こうした理由の一つに、ソフィア大学のキャンパスの仕組みが関係しているのではないかと思いました。例えば静岡大学の場合、静岡キャンパス内には4学部1学環が一か所にまとまって位置していますが、ソフィア大学の場合、教育学部と言語学部は本館で、経済学部は何ブロックか先で、工学部は別の区でというように、一か所にまとまっていません。だから移動の際はバスや地下鉄を使わないといけないことがあり、そのため遅れてしまうのかもしれません。ただ、そもそもブルガリア人が時間にルーズなところがあるので何とも言えないです。また、授業の欠席理由が旅行でも怒られることはなく、むしろ「楽しんできて!」と言っていたのも印象深かったです。おそらく留学生に限ってのことなのだとは思いますが、日本では絶対考えられないので、いい経験になりました。もちろん、大学では勉強もしていましたが、授業を手伝うことも少ししていました。ソフィア大学には日本語学科があり、ブルガリア人の生徒や先生はもちろん、日本人の先生もいらっしゃいます。時間が空いているときは日本語学科の授業にお邪魔させていただき、見学したり、時にはアシスタント的な立場でサポートしたりすることもありました。日本語や日本の文化に対しての関心が高く、熱心に勉強する姿を見ていると、なんだか照れ臭い気持ちになりました。そこでもたくさんのブルガリア人と友達になり、彼らが日本語を勉強しながら、私はブルガリア語の勉強もしました。そういう場面で、日本や自分の地元についての知識や、なおかつそれを英語で説明できる英語力が必要だと強く感じました。もちろん日本語学科の生徒たちなので日本語もできますが、人によって出来は違いますし、少し細かい話や難しい話になるとまだまだ大変そうな様子でした。そういう時は英語を使うのですが、やはり知っている単語に限りがあると正確に伝えられなく、もどかしい思いをすることがあったので、海外へ行って現地の人や外国の人と話すときには、知識量や英語力が求められるのだと痛感しました。それと同時に、日常会話を難なくこなせるほど流暢に日本語で会話ができる友達の凄さに、思い出すたびに驚かされます。日本に留学経験のある人は当然ですが、留学経験がないのにとても流暢に話す人もいて本当に驚きました。
 最後に、この留学全体を通して学んだことを話したいと思います。まず一番に思ったことは、ポートフォリオにも書きましたが、「自分らしく振舞う」ということです。今回の留学で、年齢国籍問わず多くの人と出会いました。そして時間を共有する中で話を重ねていき、お互いことを知りあって関係性を深く築いていき、より多くのことを吸収しました。そうした中で築き上げた関係性から自分がどういう人間なのかを改めてよく知ることができました。今まであまり人間関係を保つことが得意じゃなく、どういしたらいいか、どこまで近づけばいいかわかりませんでした。でも、この留学で出会った人たちと接していく中で、接し方や距離感などが分かった気がします。また、そうやって相手のことを知るということは同時に、相手も自分のことを知るので、自分が一体どんな人間なのかがわかり、自分らしさをより一層手に入れることができました。それによって自信も生まれ、今の自分を支えていると思います。一見日本でもできそうですが、留学したからこそできたのだと私は思います。海外というアウェイな環境で支えになるのはやっぱり人です。同じ日本人留学生や現地のブルガリア人と積極的に関わらないと何もできません。だから日本では上手くいかなくても、海外にいればそうせざるを得ないのでできたのだと思います。このような大きな環境の変化が私を成長させてくれたと思います。自分らしさを手に入れ、自信がついたことで、前よりも人生に輝きが出たような気がします。本当に素晴らしい経験ができた良かったですし、機会があったらまたしたいです。すっと夢だった留学がかなって嬉しかったし、これからもこの経験を生かしてさらに成長していきたいです。ありがとうございました。

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