学業面について、VSCPのプログラムで1年間行く留学生は最初の4か月でESLの授業を二つ取ることになります。始まったばかりのころは、とにかく授業についていくのに必死でした。もちろん先生は英語しか話さないし、クラスメートとのコミュニケーションも当たり前のように英語で、自分の伝わらない英語にもどかしさを感じ、なんども悔しい思いをしました。そういった時、YouTubeで英語の動画を探したり、リスニング力をつけるためNetflixを始めたりとできる限りのことはしました。また、クラスメートと積極的にかかわるようにし、一緒にご飯を食べに行ったり、映画を見に行ったりしました。クラスメートの出身は様々で、話していてその国々の文化や特徴を知ることができ、良い文化交流となってとても楽しかったです。アカデミックの授業が始まると、ESLの授業とは比べ物にならないほどの授業のスピードと、カナダ人の授業に対する積極性に驚かされました。百人以上のクラスでもみんな積極的に手を挙げ、発言する姿はあまり日本の大学では見られない光景だったので感心しました。わたしは文化人類学と言語学の授業を聴講で取ったのですが、どちらもとても興味深いものでした。授業はディスカッションが度々あり、他の学生と意見交換などができて楽しかったです。しかしその分授業についていくため、予習復習は欠かせなかったです。
また、わたしはタンデムという集まりで知り合った日本語を学びたいという英語話者の方と言語交換をしていました。基本的に週に一度会い、30分英語で話し、そのあと30分日本語で話すというものです。一対一なので疑問に思ったことはすぐ聞くことができるし、たまに一緒に食事に行ったりなど、最終的にはすごく仲良くなることができました。またJCCというクラブもあり、そこでも日本語を学びたい人と英語と日本語で話したりすることができます。割と大きいクラブなので、人がたくさんいて友達が作りやすかったです。
気候に関しては、夏はとても過ごしやすかったです。日照時間は、夏はとても長く、夜10時過ぎでもまだ外が明るいのですごく不思議な感じでした。その分冬は日照時間がとても短く、寒かったです。ですが、地下鉄やバスは発達しており、また大学もあまり外に出ることなく棟と棟を行き来できるので、そこまで寒さに対し敏感にならなくても大丈夫だと思います。
住居では、わたしはHUBの四人部屋に住んでいたのですが、夏はアリにとても悩まされました。また、ねずみもたまに出るので気を付けた方がいいです。私の知り合いは、International HouseやEast Campus Villageに住んでおり、これらはHUBよりは値段が高いですが、とてもきれいでした。ルームメイトはあまり干渉しない人達で、たまにリビングルームで会って、少し喋る程度だったので、今思い返すともっと交流を持てばよかったかなと思います。また、文化の違いのせいなのか、部屋内での生活の仕方は様々でした。私たちの部屋では特にルールも決まってなかったので、掃除をする時などは少し面倒でした。
街についてですが、カナダ人の方々は何もないところでつまらない、と常に話していましたが、わたしはとても素敵なところだと思います。確かに日本のように、あちこちに遊ぶ場所があるわけではないですが、大学近くにはレストランやおしゃれな雑貨屋さんがある通りがあったり、夏にはほぼ毎週のようにあちこちでイベントを行っていたりします。また、冬にはカナダならではで、外の氷が張っているところでスケートをしたり、ジャスパーというところに行ってスキーやスノーボードをしたりとウィンタースポーツが盛んです。エドモントンに住んでいる人達もとても親切で、治安もそこまで悪くないと思います。
今までの留学生活を振り返って思うことは、本当に留学してよかったということです。留学に行く前までは、正直自分は海外でやっていけるのか、すごく不安でした。英語にも自信がなく、留学しても伸びなかったらどうしようなどと考えることもありました。しかし、留学中はそんなことを心配する暇もないほど、楽しく、素晴らしいものでした。わたしはもともと内向的で人に話しかけたり、自分の意見を述べるのが、すごく苦手でした。しかしこの留学で様々な人と話す機会があり、その人たちの積極性を目にして、自ずと自分の性格もいい方向に変わっていきました。留学はただ単に英語を学ぶ、というだけでなく、色々な文化や習慣、人々に触れて、自分を成長させてくれます。今しかできないことなのでぜひ挑戦してみてください。